自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!
第26回
2018年夏の良コスパWi-Fi
2018年6月25日 06:05
前回までWi-FiルーターのWi-Fi接続方法についていくつか紹介してきたが、今回から数回、この夏、夏ボ~夏期休暇あたりでWi-Fiルーターの新調を考えている人に向けて、どんなルーターがお勧めかを解説してみたい。この連載開始当初の第9回あたりまででも基本的なことを解説しているので、時間があれば参照して欲しい。
Wi-Fiルーターを選ぼうとショップに行ったり、メーカーサイトを巡回すると、まず目に入るのはデカデカと書かれた「1733Mbps+600Mbps」「1300Mbps+450Mbps」とかの速度表記だろう。この表記は、「IEEE 802.11ac(5GHz)の速度+IEEE 802.11n/g(2.4GHz)の速度」となっている。現行のスマホは、ほぼ11ac対応なので、気にするのは先頭に書かれた11acの速度のみで構わない。後ろのは11acに対応しない機器を11n/gに接続するためのモノで速度は二の次。とにかく繋げるためにある。ここの速度数値はあまり気にしなくてよい。
また、この速度はあくまでも理論値であって、必ずこの速度でデータ転送ができるワケではない。多大な期待は禁物。速度を出すには、スマホなど接続子機側での対応も必要になる。例えば、スマホは2×2の866Mbpsがほぼ上限。1300Mbpsあたりが将来的に見て、使いやすい速度だろう。
そもそも、インターネット回線がそこまで高速ではないので、ネット閲覧の速度はそれを超えることはない。もちろんWi-Fiの速度は速いに越したことはないのだが、あくまでも参考程度にとどめておこう。高速なモデルは内部の処理も高速で、そのWi-Fiの通信速度よりも、複数端末が同時に通信したときでも安定しているという部分に注目(期待)して欲しい。複数のスマホでネットに接続して動画を視聴するというようなシーンで安定する。
家庭向けで長く使えるお勧めの基本スペックを紹介しておくと、以下の3点を押さえておくとよい。
・11ac 1300Mbps
・MU-MIMO(3×3)
・IPv6(IPoE)
11acに対応していることは当然として、Wi-Fiの速度は3×3の1300Mbpsあたりが、現時点でコストパフォーマンスがもっとも良い。3×3は、MU-MIMOに対応していると、複数のスマホからの接続で安定するのでファミリー向けだ。スマホのみの利用では、ややオーバースペックだが、家族で使うなら満足度は高いハズ。また、IPv6(IPoE)対応であれば、NTT東西のフレッツ網で提供されるネイティブ方式のIPv6接続にも対応できる。もちろんNTT東西以外であっても、今後はIPv6は必須だ。これ以外の部分では、MU-MIMOのビームフォーミングは広い家では快適度が上がるので、チェックしておいてもよい。ほかのいわゆるオマケ的な機能は、あまり気にせずに必要になったらNASなどで対応すると考えておいても良いと思う。そのほうが拡張性がある。
もう1つ、最近のトレンド商品として「メッシュWi-Fi」対応ルーターというモノがある。これは複数のWi-Fiルーターでグループ化して、1つのWi-Fiネットワークとして利用できるという製品だ。1台で使う分には、これまでのものと変わらないので、同一モデルを2~3台のセットでそろえることになり、おのずとけっこう予算もかかってしまうが、広範囲をエリアとすることができるので、もし広い一軒家をくまなくWi-Fiエリアにしたければお勧めだ。同じ用途で中継器を使う手法もあるが、ちょうど良い中継地点への設置が微妙に難易度が高い。メッシュWi-Fiでは設置がしやすいというのがメリットになる。
次回は、この夏のお勧めモデルを具体的に紹介していこう。
今回の教訓(ポイント)
2018年夏のお勧めWi-Fiルーターは、11ac、3×3のMU-MIMOで、速度は1300Mbpsがコスパ良し!
広めの家で予算があれば、メッシュWi-Fiルーターもお勧め。
「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!」連載記事一覧
- 第1回:「ギガ」を減らしたくなきゃ、自宅Wi-Fiルーターを使え!
- 第2回:「Wi-Fiルーター」ってそもそもナニ?
- 第3回:Wi-Fi速度アップのキモ、複数アンテナを駆使する「MIMO」とは?
- 第4回:スマホのWi-Fi性能をチェックするには?
- 第5回:スマホ通信の高速化のためには自宅の回線も「ギガ」に
- 第6回:Wi-Fiとルーターは別のもの?
- 第7回:失敗しないWi-Fiルーターの製品選び(1) 国内メーカーと海外メーカー
- 第8回:失敗しないWi-Fiルーターの製品選び(2) iPhoneユーザーにはApple製品がオススメなの?
- 第9回:失敗しないWi-Fiルーターの製品選び(3) 高性能Wi-Fiルーターの選択もアリなのか考える
- 第10回:Wi-Fiルーター開梱の儀
- 第11回:Wi-Fiルーターをネット回線に接続するときの注意点は?
- 第12回:とりあえずの初期状態でWi-Fiに繋がってみよう。そのまま使い続けは厳禁
- 第13回:Wi-Fiルーターでインターネット接続設定をするコツ
- 第14回:ボタンプッシュを使ったWi-Fi接続設定を使ってみる
- 第15回:Wi-Fiの「SSID」について少し知っておきたい心がけ
- 第16回:Wi-Fiの暗号化方式・暗号化キーについて少し勉強しておきたいこと
- 第17回:Wi-Fiルーターの「IPアドレス」を忘れたら?
- 第18回:Wi-Fiの「SSID」ネーミングの注意点、周囲に発信しているものだということを意識しよう
- 第19回:長くランダムなWi-Fi暗号化キーを設定するコツ
- 第20回:Wi-Fiルーターが壊れたときに役立つ「設定ファイル」の保存方法
- 第21回:“ギガ”を無駄に減らさない自宅Wi-Fiを活用する設定とは
- 第22回:新たに設定したWi-Fiルーターにうまく繋がらないときの対処法
- 第23回:家族のスマホWi-Fi接続を簡単に済ませるとっておきテク
- 第24回:新しめのiPhoneやiPad、Mac同士なら「Wi-Fiパスワード共有」が簡単
- 第25回:タッチだけでWi-Fi接続させるNFCタグをAndroidスマホで作ってみた
- 第26回:2018年夏の良コスパWi-Fi
- 第27回:Wi-Fiルーター迷ったらコレを選べ! 実売価格1万円前後、2018年夏の“良コスパ”お勧め製品
- 第28回:Wi-Fiルーター迷ったらコレを選べ! 実売価格7000円以下のお勧め製品
- 第29回:Wi-Fiルーター接続後に必ずやっておきたいこと
- 第30回:ファームウェアのアップデートをZIPファイルから行うには
- 第31回:Wi-Fiルーターの時刻を自動で合わせる
- 第32回:スマホの時刻を自動で合わせるには
- 第33回:パソコンの時刻を自動で合わせるには
- 第34回:もしかして、Wi-Fiが二重ルーター状態になってない?
- 第35回:Wi-Fiが二重ルーター状態になっているかを確認するツールは?
- 第36回:Wi-Fiが二重ルーターになっているか、実際の確認方法は?
- 第37回:二重になったWi-Fiルーターをオフにするには?
- 第38回:自宅のLANでIPアドレスを固定すると便利な機器は?
- 第39回:自宅のLANでIPアドレスを固定するマイルールを決めてみる
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- 第42回:ネット回線が繋がらない! その時の対処法(1):軽微なトラブルは再起動
- 第43回:ネット回線が繋がらない! その時の対処法(2):回線接続トラブルならサポートを
- 第44回:ネット回線が繋がらない! その時の対処法(3) 光回線の接続は確実に
- 第45回:家庭へのWi-Fiルーターの導入まとめ(1)
- 第46回:家庭へのWi-Fiルーターの導入まとめ(2)
- 第47回:家庭へのWi-Fiルーターの導入まとめ(3)
- 第48回:家庭へのWi-Fiルーターの導入まとめ (4)