自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

第42回

ネット回線が繋がらない! その時の対処法(1) 軽微なトラブルは再起動

 前回までで、自宅でWi-Fiルーターを使う基本的な設定を無事終わらせることができた。ていねいに読み進めてくれた読者なら、ここまでの知識で、ちゃんとインターネットを活用することができているハズ。

ここまで連載をシッカリ読み込んでくれていれば、ちゃんとインターネットを活用することができているハズ

 そう……、ハズなのだが。調子よくこの原稿を書いていたちょうどそのとき、何やら家族から時折ネットに繋がらないときがあるとの声が上がってきてしまった。

 この発生時点では、PCでインターネット接続状況を見ても、ルーターのランプ点灯状況を確認しても特に普段と変化はなく、ルーターの設定画面にも問題なくアクセスできていた。念のためルーターの再起動した上で、あらためてルーターのランプが正常に点灯するのを確認。その後は、特に問題なくネットに接続できていた。しかし、あとから考えれば、これがトラブルの予兆だったのだ。

 あまりにもタイミングがよすぎるのだが、インターネット接続回線のトラブル時に、どういう対応をすればよいのかを、今回のトラブルを元に、数回に分けてレポートしていこう。

1)ルーターの設定画面にアクセスできるか
 回線接続が不調のトラブル時は、たいていルーターが何らかの原因で接続不良となっていることが多い。まずやることは、自宅回線の接続に使われているルーターの設定画面にアクセスできるか確認することだ。そして回線が正常に接続されているかを確認する。

 もちろんルーターのランプの点灯から判断してもいいが、設定画面の方がよりわかりやすい。この時点でブラウザーで設定画面にアクセスして[*1]正しく表示されれば、正常かどうかはともかく、とりあえずルーターは動いていることになる。

[*1]……ブラウザーでルーターの設定画面にアクセスするには、「192.168.XXX.1」のようなドットで区切った4つの数字の塊で表現される「IPアドレス」をアドレスバーを入力する。詳しい方法は、『第17回:Wi-Fiルーターの「IPアドレス」を忘れたら?』でも紹介しているので、参考にしてほしい。

ブラウザ-でルーターの設定画面にアクセスすると表示されるログイン画面に、ユーザー名とパスワードを入力

2)機器のステータス画面をチェックする
 モデムやルーターには、たいてい現在の状態を一覧にして表示してくれる画面が用意されており、「システムステータス」などと書かれていることが多い。この画面で、Wi-Fiが正常にオンになっているか、インターネット回線の状況がどうかを判別できる。ステータス画面でこれらの状況が確認できれば、まずは安心だ。もし、ルーターの設定画面にアクセスできない場合には、ルーターが壊れているか、Wi-Fi部分の故障と判断できる[*2]

[*2]……Wi-Fiが故障しているかどうかの確認は、スマホなどの設定画面でWi-Fiの接続ができているかを見ればいい。もし接続が切れていて、さらにSSIDが表示されなければ、Wi-Fiの故障だ。

このルーターの管理画面では、WANの「リンク状態」を確認すれば、インターネット回線へ正常に接続されているかがわかる

3)ルーターの電源をオフ→オンさせる
 もし設定画面にアクセスできず、ルーターの反応がなければ、一度ルーターを再起動してみよう。ルーターは電源スイッチは省略されている製品が多いので、その場合はACアダプターの電源コードを抜いてオフにする。1分程度待ってから、電源コードを差し込んでオンにしよう。起動してからインターネット回線に接続されるまでには数分かかるので、少し待ってから、ルーターの管理画面へのログインと、インターネット回線に正しく接続されているかどうかを確認する。

 軽微なトラブルであれば、たいていはルーターの再起動で解決する。ときおりルーターのファームウェアが自動でアップデートされることがあるのだが、そのあとに起動からインターネット回線への接続までの一連の動作のどこかがうまくいっていないことも考えられる。そうしたトラブルであれば、ルーターの再起動で解消されることも多いわけだ。また、付近の回線工事で一度回線が切断されたあとに、再度自動接続する動作がうまくいっていないケースもある。

4)機器の反応は「Ping」コマンドでチェックする
 設定画面へのログインでルーターの動作をチェックしたが、もっと簡単にネットワーク上の機器が動いているかを判断するには、「Ping」というコマンドを使うといい。スマホ向けのアプリもあるので活用してみよう。この連載でよく使っているアプリの「Fing」でも、Pingコマンドが利用できる。Fingでは、ネットワーク内で認識されていた機器がリストアップされるので、調べたい機器を選んで[Ping]アイコンをタップする。

 WindowsならPowerShell(もしくはコマンドプロンプト)、macOSならターミナル上で、「ping (IPアドレス)」と入力して実行するだけだ。すると応答時間が表示される。「損失(パケットロス) = 0」なら動作していて、応答が無く「損失 = 100」なら動作していない。Fing以外のスマートフォンアプリでも、機器のIPアドレスを入力し、例えば[Start]ボタンなどをタップすれば、通信の結果が表示されるはずだ。

Fingの[デバイス]タブには、ネットワーク内の機器がリストアップされる。なお、新規にスキャンしなければ、過去にスキャンした結果が表示される。ここで薄く表示された機器は、未接続の可能性が高い
チェックしたいデバイスを選び、[Ping]ボタンをタップ
対象の機器が動作していれば、このように反応がある
動作していない機器の場合、このようにパケットロスが100%になる

 このようにPingコマンドを使えば、トラブルの初期段階で、Wi-Fiアクセスポイントやルーター、モデムといった機器が動作しているのかを特定するのに役立つ。

 だが、今回はこれだけではトラブルは終わらなかった。次回もトラブルシューティングは続いてしまう。

今回の教訓(ポイント)

回線不調のとき、まずは接続機器の電源をオフ→オンを試してみる
「Ping」コマンドは機器の故障チェックに役立つ

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。