自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!
第14回
ボタンプッシュを使ったWi-Fi接続設定を使ってみる
2018年3月12日 06:05
「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!」連載記事一覧
- 第1回:「ギガ」を減らしたくなきゃ、自宅Wi-Fiルーターを使え!
- 第2回:「Wi-Fiルーター」ってそもそもナニ?
- 第3回:Wi-Fi速度アップのキモ、複数アンテナを駆使する「MIMO」とは?
- 第4回:スマホのWi-Fi性能をチェックするには?
- 第5回:スマホ通信の高速化のためには自宅の回線も「ギガ」に
- 第6回:Wi-Fiとルーターは別のもの?
- 第7回:失敗しないWi-Fiルーターの製品選び(1) 国内メーカーと海外メーカー
- 第8回:失敗しないWi-Fiルーターの製品選び(2) iPhoneユーザーにはApple製品がオススメなの?
- 第9回:失敗しないWi-Fiルーターの製品選び(3) 高性能Wi-Fiルーターの選択もアリなのか考える
- 第10回:Wi-Fiルーター開梱の儀
- 第11回:Wi-Fiルーターをネット回線に接続するときの注意点は?
- 第12回:とりあえずの初期状態でWi-Fiに繋がってみよう。そのまま使い続けは厳禁
- 第13回:Wi-Fiルーターでインターネット接続設定をするコツ
- 第14回:ボタンプッシュを使ったWi-Fi接続設定を使ってみる
- 第15回:Wi-Fiの「SSID」について少し知っておきたい心がけ
- 第16回:Wi-Fiの暗号化方式・暗号化キーについて少し勉強しておきたいこと
- 第17回:Wi-Fiルーターの「IPアドレス」を忘れたら?
- 第18回:Wi-Fiの「SSID」ネーミングの注意点、周囲に発信しているものだということを意識しよう
- 第19回:長くランダムなWi-Fi暗号化キーを設定するコツ
- 第20回:Wi-Fiルーターが壊れたときに役立つ「設定ファイル」の保存方法
- 第21回:“ギガ”を無駄に減らさない自宅Wi-Fiを活用する設定とは
- 第22回:新たに設定したWi-Fiルーターにうまく繋がらないときの対処法
- 第23回:家族のスマホWi-Fi接続を簡単に済ませるとっておきテク
- 第24回:新しめのiPhoneやiPad、Mac同士なら「Wi-Fiパスワード共有」が簡単
- 第25回:タッチだけでWi-Fi接続させるNFCタグをAndroidスマホで作ってみた
- 第26回:2018年夏の良コスパWi-Fi
- 第27回:Wi-Fiルーター迷ったらコレを選べ! 実売価格1万円前後、2018年夏の“良コスパ”お勧め製品
- 第28回:Wi-Fiルーター迷ったらコレを選べ! 実売価格7000円以下のお勧め製品
- 第29回:Wi-Fiルーター接続後に必ずやっておきたいこと
- 第30回:ファームウェアのアップデートをZIPファイルから行うには
- 第31回:Wi-Fiルーターの時刻を自動で合わせる
- 第32回:スマホの時刻を自動で合わせるには
- 第33回:パソコンの時刻を自動で合わせるには
- 第34回:もしかして、Wi-Fiが二重ルーター状態になってない?
- 第35回:Wi-Fiが二重ルーター状態になっているかを確認するツールは?
- 第36回:Wi-Fiが二重ルーターになっているか、実際の確認方法は?
- 第37回:二重になったWi-Fiルーターをオフにするには?
- 第38回:自宅のLANでIPアドレスを固定すると便利な機器は?
- 第39回:自宅のLANでIPアドレスを固定するマイルールを決めてみる
- 第40回:ルーターでIPアドレス配布するルールを設定する
- 第41回:Wi-FiアクセスポイントでIPアドレスを固定して使うには?
- 第42回:ネット回線が繋がらない! その時の対処法(1):軽微なトラブルは再起動
- 第43回:ネット回線が繋がらない! その時の対処法(2):回線接続トラブルならサポートを
- 第44回:ネット回線が繋がらない! その時の対処法(3) 光回線の接続は確実に
- 第45回:家庭へのWi-Fiルーターの導入まとめ(1)
- 第46回:家庭へのWi-Fiルーターの導入まとめ(2)
- 第47回:家庭へのWi-Fiルーターの導入まとめ(3)
- 第48回:家庭へのWi-Fiルーターの導入まとめ (4)
前回までで、Wi-Fiルーターを回線に接続し、工場出荷時の初期SSIDと暗号化キーを使ってWi-Fi経由での接続を試みた。この初期SSIDと暗号化キーは簡単に繋がるが、初期設定用のために用意されている仮のものなので、セキュリティの問題があるためそのまま使い続けてはいけない。これらを簡単に変更して使う機能として、本体のボタンプッシュを使った接続方法が用意されている。今回は、こちらを実践してみよう。
このボタンプッシュは手順を簡略化するもので、ベーシックに手動で設定する方法も後ほど紹介する。万能なのは手動設定なので、ヘビーな使い方を想定しているなら、このボタンプッシュ接続は読み飛ばして欲しい。
本体のボタンプッシュを使った接続方法は、以下の異なる方式がある。Wi-Fiルーターに搭載されている方式とスマホなどの子機側で同じ方式で合わせる必要がある。「AOSS」と「らくらく無線スタート」は、どちらも子機側からWPSにて接続するとWPSとしても動作する。
本体ボタンプッシュを使った接続方法
規格元 | 方式 | iOS | Android | Windows 7以降 | macOS |
Wi-Fiアライアンス | WPS(Wi-Fi Protected Setup) | × | ○ | ○ | × |
バッファロー(AirStation) | AOSS/AOSS2 | ○ | ○ | ○ | ○ |
NECプラットフォームズ(Aterm) | らくらく無線スタート/らくらくQRスタート | ○ | ○ | ○ | ○ |
この双方で方式を合わせるというのが、ちょっとクセ者で、全子機が対応していないと面倒なことになる。WPSはApple製品は未対応。iOSとmacOSでは使えない。また、ニンテンドーのSwitchは、すべてのプッシュボタン接続に未対応(WiiやWii U、3DSは対応している)なことを、あらかじめ知っておきたい。
手順を簡単に解説すると、最初の接続でWi-Fiルーターのボタンを押し、続けて対応子機からアプリや設定などから接続ボタンをタップすると、自動的にSSIDと暗号化方式、暗号化キーが設定されて接続される。Wi-Fiルーターのボタン→子機のボタンの順に押して自動接続させていくイメージだ。もちろん初期SSIDと暗号化キーは書き換えられる。以後、子機を追加する際も同様の手順を踏む。
最後に、設定画面でWPSやAOSSの物理キーの動作をオフにしておけば、来客や子どもにイタズラで接続されることを防ぐことができる。
WPSでの接続例
1)Wi-Fiルーターの「WPS」ボタンを長押しする。「AOSS」や「らくらく無線スタート」のWi-Fiルーターでもボタンを押すとWPSとしても機能する
2)インジケータが点滅に変わる。この回る矢印アイコンがWPSの目印
3)点滅している間に、子機側からWPSでアクセスする
・Android
・Windows 10
「AOSS」と「らくらく無線スタート」の場合も、子機側からの接続に専用アプリを使うという以外、基本的な手順は同じだ。Wi-Fiルーター側のボタンを長押ししたあと、子機側の専用アプリからアクセスして画面に従っていく。パソコンを接続させる場合には、専用ツールを利用する。「AOSS」でのWindowsでは「クライアントマネージャV 」を、macOSでは「AOSSアシスタント」を使い、「らくらく無線スタート」では、WindowsとmacOSどちらも「らくらく無線スタートEX」を使う。こういった専用アプリやツールが面倒で、AndroidとWindowsなら、WPSを選択すればよいと思う。
AOSSの接続例
面倒なのは、未対応機器を追加接続したいケースだ。この場合、ボタンは使えないので、Wi-Fiルーターの設定画面でボタンプッシュで自動設定されたSSIDと暗号化キーを確認し、これらを子機側に入力すれば接続できる。この自動生成されたSSIDや暗号化キーの文字列が長いので面倒なことがある。また、この連載で使用している2機種は、どちらもボタンプッシュ接続後も初期SSIDと暗号化キーのまま接続された。セキュリティを考えるとよろしくない状態だ。それであれば、最初から自分で理解しやすいSSIDと暗号化キーを設定してしまったほうが、安全だし、あとの接続でもわかりやすい。
設置後に追加で接続すると思われる、プリンターやゲーム機、Wi-Fi中継器、BDレコーダー、テレビ、スマートスピーカーなど、すべてを同一形式のボタンプッシュ方式に合わせるのは至難を極める。ヘビーに使うならボタンプッシュにこだわらず、最初から自分で記入する設定を考えたほうが、実際には手間がかからなかったりする。対応するスマホやPCを数台繋げるだけなら、ボタンプッシュは手軽なので、ぜひ活用して欲しい。ボタンプッシュから手動設定へは、設定次第で切り替え可能だが、これまでボタンプッシュで接続していた機器は再度接続し直す必要が出てくるので二度手間だ。
ちなみにWPSには、ボタンプッシュの代わりに数字を記入して接続させるWPS PINという方式もあるのだが、こちらは脆弱性が報告されているので利用しないようにしよう。
今回の教訓(ポイント)
少ない台数で対応機器のみの接続予定なら、Wi-Fiボタンプッシュ設定は便利
さまざまな子機を接続させ、ヘビーに活用するなら手動設定がオススメ。特にApple製機器とニンテンドーSwitchのユーザーは注意。
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