自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!
第7回
失敗しないWi-Fiルーターの製品選び(1)
国内メーカーと海外メーカーの良いところ/簡単Wi-Fi接続設定機能の注意点
2017年12月4日 12:30
「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!」連載記事一覧
- 第1回:「ギガ」を減らしたくなきゃ、自宅Wi-Fiルーターを使え!
- 第2回:「Wi-Fiルーター」ってそもそもナニ?
- 第3回:Wi-Fi速度アップのキモ、複数アンテナを駆使する「MIMO」とは?
- 第4回:スマホのWi-Fi性能をチェックするには?
- 第5回:スマホ通信の高速化のためには自宅の回線も「ギガ」に
- 第6回:Wi-Fiとルーターは別のもの?
- 第7回:失敗しないWi-Fiルーターの製品選び(1) 国内メーカーと海外メーカー
- 第8回:失敗しないWi-Fiルーターの製品選び(2) iPhoneユーザーにはApple製品がオススメなの?
- 第9回:失敗しないWi-Fiルーターの製品選び(3) 高性能Wi-Fiルーターの選択もアリなのか考える
- 第10回:Wi-Fiルーター開梱の儀
- 第11回:Wi-Fiルーターをネット回線に接続するときの注意点は?
- 第12回:とりあえずの初期状態でWi-Fiに繋がってみよう。そのまま使い続けは厳禁
- 第13回:Wi-Fiルーターでインターネット接続設定をするコツ
- 第14回:ボタンプッシュを使ったWi-Fi接続設定を使ってみる
- 第15回:Wi-Fiの「SSID」について少し知っておきたい心がけ
- 第16回:Wi-Fiの暗号化方式・暗号化キーについて少し勉強しておきたいこと
- 第17回:Wi-Fiルーターの「IPアドレス」を忘れたら?
- 第18回:Wi-Fiの「SSID」ネーミングの注意点、周囲に発信しているものだということを意識しよう
- 第19回:長くランダムなWi-Fi暗号化キーを設定するコツ
- 第20回:Wi-Fiルーターが壊れたときに役立つ「設定ファイル」の保存方法
- 第21回:“ギガ”を無駄に減らさない自宅Wi-Fiを活用する設定とは
- 第22回:新たに設定したWi-Fiルーターにうまく繋がらないときの対処法
- 第23回:家族のスマホWi-Fi接続を簡単に済ませるとっておきテク
- 第24回:新しめのiPhoneやiPad、Mac同士なら「Wi-Fiパスワード共有」が簡単
- 第25回:タッチだけでWi-Fi接続させるNFCタグをAndroidスマホで作ってみた
- 第26回:2018年夏の良コスパWi-Fi
- 第27回:Wi-Fiルーター迷ったらコレを選べ! 実売価格1万円前後、2018年夏の“良コスパ”お勧め製品
- 第28回:Wi-Fiルーター迷ったらコレを選べ! 実売価格7000円以下のお勧め製品
- 第29回:Wi-Fiルーター接続後に必ずやっておきたいこと
- 第30回:ファームウェアのアップデートをZIPファイルから行うには
- 第31回:Wi-Fiルーターの時刻を自動で合わせる
- 第32回:スマホの時刻を自動で合わせるには
- 第33回:パソコンの時刻を自動で合わせるには
- 第34回:もしかして、Wi-Fiが二重ルーター状態になってない?
- 第35回:Wi-Fiが二重ルーター状態になっているかを確認するツールは?
- 第36回:Wi-Fiが二重ルーターになっているか、実際の確認方法は?
- 第37回:二重になったWi-Fiルーターをオフにするには?
- 第38回:自宅のLANでIPアドレスを固定すると便利な機器は?
- 第39回:自宅のLANでIPアドレスを固定するマイルールを決めてみる
- 第40回:ルーターでIPアドレス配布するルールを設定する
- 第41回:Wi-FiアクセスポイントでIPアドレスを固定して使うには?
- 第42回:ネット回線が繋がらない! その時の対処法(1):軽微なトラブルは再起動
- 第43回:ネット回線が繋がらない! その時の対処法(2):回線接続トラブルならサポートを
- 第44回:ネット回線が繋がらない! その時の対処法(3) 光回線の接続は確実に
- 第45回:家庭へのWi-Fiルーターの導入まとめ(1)
- 第46回:家庭へのWi-Fiルーターの導入まとめ(2)
- 第47回:家庭へのWi-Fiルーターの導入まとめ(3)
- 第48回:家庭へのWi-Fiルーターの導入まとめ (4)
前回は、自宅回線がどのようになっているか、特にWi-Fi機能が回線業者からのレンタルになっていないかは、事前にチェックしておきたいと解説した。Wi-Fiルーターを自前で選ぶとなると、どういったポイントで選べば良いのか迷うはずだ。今回から、数回に分けてWi-Fiルーターの製品選びについて、少し考えていこう。
まず、国内でWi-Fiルーターを扱うメーカーを簡単にでも把握しておきたい。リストにすると、主要なメーカーだけでもこれだけある。このリストにあるメーカーを選んでおけばまず問題無い。
海外メーカー
国内メーカーの良いところは、サポートが安心できることと、ルーター部分に関して日本の回線事情に合わせているので、繋がる保証があるということだ。また、11acで使う国内特有の5GHzの気象レーダーを回避する機能も、たいていは持っている(※)。初めて選ぶ1台なら、まずこちらをお勧めする。
海外メーカーの良いところは、コストパフォーマンスが良いことだ。世界規模で販売しているので、おのずと価格も安くなりやすい。しかも、新しい高速規格の製品をアグレッシブに投入してくる。日本には未導入の高機能モデルも多い。ただ、設定画面やアプリが完全に日本語対応になっていないケースもあったり、サポート体制も代理店次第。慣れていて使いこなせるならお勧めだ。また、端末が大きめのモデルが多いので、サイズをよく確認して購入して欲しい。通販の写真だけで判断すると、届いて「デカっ!」とビックリすることもある。
ちなみに、Wi-Fiルーターは電波を発する製品なので、電波法の関係で基本的に国外製品を持ってきたままの状態では利用できない。総務省の「技術基準適合証明」を受けたマークが付いているモデルのみ利用可能だ。海外メーカーでも、国内で正式に販売されているモデルは問題ないが、オークションなどで手に入れる並行輸入品には注意する必要がある。
※海外製品では、この気象レーダーの5GHzの一部バンドは対応せずバッサリ切ってしまっている製品もある。
Wi-Fiの接続設定方法の1つに、親機と子機のボタンをプッシュするだけで接続設定を済ませる機能がある。これが以下の3種あるので、少し注意する必要がある。
- Wi-Fiアライアンス「WPS」
- バッファロー「AOSS2」
- NEC「らくらく無線スタート」
この中の「WPS(Wi-Fi Protected Setup)」に関しては、世界規模で多くの機器が対応しているので、海外製品を含め幅広く使えるケースが多い。逆に言えば、海外製品はWPSにしか対応していない。スマホで見ると、Androidが対応していて、iOSは未対応。バッファローとNECの機能が使いたければ、この2社から選ぶことになる。特に「AOSS2」では親機のボタンを押すだけで、表示されるSSIDさえ選べば接続できてしまうので、とにかく繋いでしまいたいなら分かりやすい。
ただ、これら簡単接続機能は微妙な難点もある。PCやスマホのようにアプリで対応できればいいのだが、プリンターやゲーム機、AV機器などで特定の簡単接続機能を持たない機器を追加する際に、ボタンで接続できないので、手順が少し厄介になる(例えば前述のiOSでWPSを使いたいなどだ)。全く追加接続できないワケではなく、オーソドックスにSSIDとキー入力になるので、自動生成された文字列が判別しにくかったり、長くて入力が面倒だったりする。シンプルに設定を手動でして分かりやすい文字にするか、あくまでボタンの利便性をとるか最初に決めておくとよい。スマホとPCを数台繋ぐだけならボタンによる簡単設定を選び、AV機器やWi-Fiデバイスを多数追加していきたいなら、SSIDとキーの設定を手動で決めておいたほうが後々使いやすいだろう。初回の接続のみ簡単接続機能を活用し、接続したら任意のSSIDとキーに変更するという手法も考えられる。
1つ注意点として、WPSのボタンではないPIN(数字)認証には脆弱性が報告されているので、接続時のみ機能をオンにするなど工夫して欲しい。いずれにしても機器追加時以外、これらの簡単接続機能はオフにしておくのが無難。簡単のようで、長く使いこなしていくにあたっては実は簡単でもないのが、これら簡単接続機能だったりする。
メーカー選択では、この簡単接続機能以外、Wi-Fiルーターのデザインやサイズ、サポートをどれだけ重視するかなどで単純に気に入るかどうかで決めてしまっていい。デザインとサイズは、リビングなどに置くならけっこうポイントとなる。電波を使う関係で棚の奥などに隠すワケにもいかない。Wi-Fi部分はスペックが同じなら、ほぼ同じ。ツウなら設定画面の使いやすさなど選ぶポイントはいろいろあるが、設定画面など最初の接続時以外見ないのであまり気にしなくていいだろう。簡易NASのような付加機能なども、NASを使いたければ後ほどNASを購入したほうが格段に便利で、結局のところWi-Fiルーター搭載の機能は使わなかったりする。
複数購入する場合や中継器、子機を追加する際などは、同一メーカーでそろえておけばトラブルは少なくなる。Wi-Fiで接続が認証されていても、まれに相性問題は起こるからだ。ラインアップが多いメーカーのほうが後々のことを考えると良いだろう。
メーカーをある程度しぼったら、通信速度や機能などからモデルを選択するのだが、こちらは次回以降見ていこう。iPhoneやiPadでの使いやすさも語っていこうと考えている。
今回の教訓(ポイント)
「国内で実績のある国内メーカーかアグレッシブな海外メーカーか、好みでWi-Fiルーターのメーカーを絞っていこう」
デザインやサイズの好みは意外と重要。簡単接続機能を期待しているなら、この機能を持つメーカーを選択する。
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