自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!
第45回
家庭へのWi-Fiルーターの導入まとめ(1)
2019年1月21日 06:05
ここまで約1年ちょっと、全44回にわたり、家庭でWi-Fiルーターを導入するひと通りの指南をしてきた。当初はここまで続くと思っていなかったので、これもひとえに読んでくれた皆さんのおかげだ。改めて深くお礼を言っておこう。
ちょうどキリの良いタイミングなので、今回から数回に分けて簡単に概要をまとめておきたい。ちょうど新年からと相応しいタイミングになったが、あくまでも偶然だ。
今後、新たにWi-Fiルーターを導入したいという人が、44回分を最初から全て読むのは結構ツライ。今までも、たまに読んでも全部に目を通してくれている読者はマレだろう。今回からのまとめを読んで貰えれば、ザックリと概要が分かるという仕組みだ。より知識を深めたければ、それぞれ連載の該当回にリンクしておくので、過去記事を参照して頂ければありがたい。記事一覧は、掲載年ごとのページになっているので、適宜切り替えて欲しい。
さぁ、それではまとめていこう。まずは、自宅にネット回線とWi-Fiルーターを準備する部分からだ。
Wi-Fiルーターを自宅に用意すれば、スマホでの快適な通信が心置きなくできるようになる。もちろん自宅にはネット回線が引かれている必要がある。モバイル回線のみで大容量の通信をするには、それなりのコストが掛かるので、家族全員がコンスタントにスマホを使うなら、自宅にいる時はWi-Fiにつないで使うようにしておきたい。もちろんネット回線を契約すれば別に料金はかかるが、格段にスマホの快適度がアップする。特に自室で動画を視聴するような使い方をするなら、間違いなく元が取れるだろう。
また、自宅Wi-Fiを完備したら、以下の連載を参考に、モバイル回線の通信量を無駄遣いしないスマホの設定を見直しておいて欲しい。
Wi-Fiルーターは、無線通信のハブとなるWi-Fi部と、複数の接続機器の通信をコントロールしたり回線への接続を行ったりするルーター部が合体した、言わば「Wi-Fiアクセスポイント+ルーター」という製品であることを覚えておこう。このうち特にルーター部分は、インターネット回線契約とともにレンタルされる機器に機能が含まれていることも多い。
単純に回線とWi-Fiルーターを繋げば、このルーターの機能がダブって動作してしまうケースもある。この状態でもネットの閲覧で困ることはないが、これを調べて解消する方法も解説してきた。使い方に慣れてからでもいいので、自宅のネット環境に合わせて一方のルーター機能をオフに設定することも考慮しよう。
- 第2回 「Wi-Fiルーター」ってそもそもナニ?
- 第6回 Wi-Fiとルーターは別のもの? 自宅に設置されているレンタルネット機器をキッチリ把握しておく
- 第34回 もしかして、Wi-Fiが二重ルーター状態になってない?(~37回まで)
<参考>
Wi-Fiルーターの無線通信規格や売れ筋については、時が経てば進化してしまう。今後も新しい記事にて随時フォローしていくつもりなので、過去記事はあくまでも参考程度にとどめて欲しい。2019年は、一部ハイエンドのWi-Fiルーターで、「Wi-Fi 6」とも呼ばれる新規格「IEEE 802.11ax」の搭載がはじまり、すでに海外メーカーから対応モデルも登場している。
これに伴って、これまでの「11ac」は、「Wi-Fi 5[*1]」、「11n」は「Wi-Fi 4」という呼び名になっていくはずだ。このように、テクノロジーの進歩などでセオリーが変われば、今後も随時フォローしていきたいと考えている。
[*1]……2019年1月現在、「Wi-Fi 5」をネットで検索すると、「Wi-Fi-5」というアイドルユニットが上位に表示されるようだ。いずれこの用語が浸透すれば、この発表時のニュース記事や、ルーターの用語解説が上位に表示されるようになるハズ……。
Wi-Fiルーターを選ぶ際には、この「11ax」登場はあるものの、まだしばらくは「11ac」対応で「3×3(3ストリーム)」のMIMOを搭載したモデルが使いやすいと思われる。なぜなら、スマホ側の対応機器が出てくるのが、もう少し後になるからだ。ルーターと子機間の通信を考えたとき、親機側だけのWi-Fi規格をよいモノにしてもダメで、子機側も合わせることで、はじめて本領を発揮する。
対応するWi-Fi子機は、ノートPC→タブレット→スマホの順で普及してくるのが、よくある流れ。スマホ派は、まだあわてるような時期じゃない。
もちろん、新規格に対応するWi-Fiルーターへ先行投資のも悪くないが、現状で必要十分な性能のモデルにしておき、新規格のモデルが普及しはじめ安くなってから、スマホの買い替えと同時に入れ替えるのが、個人的にはスマートな選択だと思う。
ちなみに、たまに間違える人がいるが、iPhoneやiPadなどのApple製品でも、Apple製のWi-FiルーターじゃないとWi-Fiに繋がらないなんてことはなく、どの製品でも接続できる。連載ではApple製のWi-Fiルーターも紹介しているが、残念ながら、Appleは国内外でWi-Fiルーター市場から撤退したため、今後は新たな製品が登場しない。
次回は、Wi-Fiルーターの設定方法についてまとめていこう。
「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!」連載記事一覧
- 第1回:「ギガ」を減らしたくなきゃ、自宅Wi-Fiルーターを使え!
- 第2回:「Wi-Fiルーター」ってそもそもナニ?
- 第3回:Wi-Fi速度アップのキモ、複数アンテナを駆使する「MIMO」とは?
- 第4回:スマホのWi-Fi性能をチェックするには?
- 第5回:スマホ通信の高速化のためには自宅の回線も「ギガ」に
- 第6回:Wi-Fiとルーターは別のもの?
- 第7回:失敗しないWi-Fiルーターの製品選び(1) 国内メーカーと海外メーカー
- 第8回:失敗しないWi-Fiルーターの製品選び(2) iPhoneユーザーにはApple製品がオススメなの?
- 第9回:失敗しないWi-Fiルーターの製品選び(3) 高性能Wi-Fiルーターの選択もアリなのか考える
- 第10回:Wi-Fiルーター開梱の儀
- 第11回:Wi-Fiルーターをネット回線に接続するときの注意点は?
- 第12回:とりあえずの初期状態でWi-Fiに繋がってみよう。そのまま使い続けは厳禁
- 第13回:Wi-Fiルーターでインターネット接続設定をするコツ
- 第14回:ボタンプッシュを使ったWi-Fi接続設定を使ってみる
- 第15回:Wi-Fiの「SSID」について少し知っておきたい心がけ
- 第16回:Wi-Fiの暗号化方式・暗号化キーについて少し勉強しておきたいこと
- 第17回:Wi-Fiルーターの「IPアドレス」を忘れたら?
- 第18回:Wi-Fiの「SSID」ネーミングの注意点、周囲に発信しているものだということを意識しよう
- 第19回:長くランダムなWi-Fi暗号化キーを設定するコツ
- 第20回:Wi-Fiルーターが壊れたときに役立つ「設定ファイル」の保存方法
- 第21回:“ギガ”を無駄に減らさない自宅Wi-Fiを活用する設定とは
- 第22回:新たに設定したWi-Fiルーターにうまく繋がらないときの対処法
- 第23回:家族のスマホWi-Fi接続を簡単に済ませるとっておきテク
- 第24回:新しめのiPhoneやiPad、Mac同士なら「Wi-Fiパスワード共有」が簡単
- 第25回:タッチだけでWi-Fi接続させるNFCタグをAndroidスマホで作ってみた
- 第26回:2018年夏の良コスパWi-Fi
- 第27回:Wi-Fiルーター迷ったらコレを選べ! 実売価格1万円前後、2018年夏の“良コスパ”お勧め製品
- 第28回:Wi-Fiルーター迷ったらコレを選べ! 実売価格7000円以下のお勧め製品
- 第29回:Wi-Fiルーター接続後に必ずやっておきたいこと
- 第30回:ファームウェアのアップデートをZIPファイルから行うには
- 第31回:Wi-Fiルーターの時刻を自動で合わせる
- 第32回:スマホの時刻を自動で合わせるには
- 第33回:パソコンの時刻を自動で合わせるには
- 第34回:もしかして、Wi-Fiが二重ルーター状態になってない?
- 第35回:Wi-Fiが二重ルーター状態になっているかを確認するツールは?
- 第36回:Wi-Fiが二重ルーターになっているか、実際の確認方法は?
- 第37回:二重になったWi-Fiルーターをオフにするには?
- 第38回:自宅のLANでIPアドレスを固定すると便利な機器は?
- 第39回:自宅のLANでIPアドレスを固定するマイルールを決めてみる
- 第40回:ルーターでIPアドレス配布するルールを設定する
- 第41回:Wi-FiアクセスポイントでIPアドレスを固定して使うには?
- 第42回:ネット回線が繋がらない! その時の対処法(1):軽微なトラブルは再起動
- 第43回:ネット回線が繋がらない! その時の対処法(2):回線接続トラブルならサポートを
- 第44回:ネット回線が繋がらない! その時の対処法(3) 光回線の接続は確実に
- 第45回:家庭へのWi-Fiルーターの導入まとめ(1)
- 第46回:家庭へのWi-Fiルーターの導入まとめ(2)
- 第47回:家庭へのWi-Fiルーターの導入まとめ(3)
- 第48回:家庭へのWi-Fiルーターの導入まとめ (4)