自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!
第44回
ネット回線が繋がらない! その時の対処法(3) 光回線の接続は確実に
2019年1月7日 06:00
前々回、前回と、自宅回線のトラブル解消例をお送りしている。ついに今回が解決編だ。待ってくれない仕事のため、手持ちのルーターを繋げて、最後の悪あがきを試してみようというところだ。
8)光回線ではルーターだけでなくONU故障の可能性も考える
NTT東西の回線接続に使うホームゲートウェイは上下に分かれていて下部がONU、上部がルーターという構造になっている。この部分はLANケーブルで接続されているので、自前のルーターのWANポートにつないだケーブルをONUに直接差し込めば、ルーター部分を付け替えた状態になる。この方法以外にも、設定画面で「PPPoEパススルー」を有効にしておけば同じような状態になるが、ルーターが故障した可能性を検証するため物理的に切り離したいので、動作確認の意味も込め、ONUに直接接続してみたのだ。
ONUとルーターのWANポートを直結してみた結果、やはり怪しい動作をする。次に、ルーター側のPPPoEを使って接続を試してみたものの、しばらくすると切断されてしまう。接続と切断を定期的に繰り返すような感じだ。
こうなると、故障したのがONUだとわかる。ONUの呼称は滅多に聞かないが、電子機器なので壊れることはあるだろう。一度、ONUに接続された光回線のコードを抜き差ししてみたが、状況は改善しない。そうこうしているうちに、ONUの「認証」ランプが点灯しなくなっていた。おそらく、徐々に故障部分が拡大していったのだろう。
ONUは、光回線とデジタル通信の変換を担っている機器だ。回線側の局内とONUとの間では、MACアドレスで認証をしている。そのためONUを自前で用意して接続しても使えない。ONUの「認証(AUTH)」ランプが消えている場合には、局内との接続で何らかのトラブルがあることを示している。同じように「光回線(PON)」ランプが消えるのも、局内との通信トラブルだ。
もうひとつの「UNI」は、おろらくルーター側の「ACT」とシンクロして点滅しているハズ。このランプは自宅(ルーター側)方向の回線の接続を表示している。この「UNI」が消えている場合、ルーターとの接続が切れているということだ。
ONUが故障していては、もはやなすすべはない。仕方がないのでCentOSのイメージのダウンロードには、モバイルルーターを使うことにした。
なお、ONUはどんどん小型化されていて、その存在を意識しにくくなっているが、このように故障することもまれにあるわけだ。存在感がないのでわかりにくいが、ONUが故障する可能性を、ちょっとだけ頭に入れておくといいだろう。
9)交換時に光回線の接続は確実に行う
申し込んだホームゲートウェイは、予定の時間通りに自宅へと配送され、交換作業によって、インターネット回線が元通り開通した。DHCPサーバーの固定IPアドレスの設定は、連載の第40回で紹介した通りだ。主要な機器はIPアドレスを固定しているので、ルーターを変更した後もネットワーク内に変化はなく、NASなども即利用できるようになった。
ホーム ゲートウェイの交換方法は、図解の用紙が入っていてわかりやすい。ちょっと手間取るのは、これまでやったことのない光配線コードのモジューラー接続部分くらいだろう。外すと光ファイバー部分をカバーするようになっていて、差し込む時には上部の赤いマークが隠れるまでしっかりと差し込むようにする。この部分が微妙に緩んで差し込まれていると通信が不安定になってしまうので、注意しておこう。
交換した機器は、同梱されている袋に入れて返送する。これで交換は完了となる。
今回はレンタルされているONUが機械的に故障するというトラブルだったわけだが、回線接続機器が故障した場合は、だいたい似たような手順を踏むことになる。回線部分は業者の対応になるが、ネットワーク側が原因だった場合にはユーザー自身が対応しなくてはならない。故障箇所の切り分けをなるべく手早くやって、必要に応じたサポートを受けるようにしょう。
今回の教訓(ポイント
滅多にないが、光回線のONUも故障することがある
光配線コードのモジューラ接続部分は確実に接続しないとトラブルの元だ
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