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日本では異色のセキュリティカンファレンス「Cybertech Tokyo 2025」9月4日に開催

無料で来場登録を受付中。ハイレベルな海外セキュリティ事例を知る機会

 サイバーセキュリティをテーマとしたカンファレンス「Cybertech Tokyo 2025」が9月4日に、ホテルニューオータニ東京(東京都千代田区紀尾井町4-1)で開催される。公式サイトにて来場登録(無料)を受け付けている。

 主催はCybertech Tokyo実行委員会、運営は株式会社ナノトプト・メディア。後援には、サイバーセキュリティ戦略本部、経済産業省も名を連ねている。

イスラエルの“サイバーセキュリティエコシステム”を日本でも

 Cybertechは、世界有数のサイバーセキュリティ先進国と知られているイスラエル発のイベントだ。

 イスラエルには産官学だけでなく軍も組み込んだ独自のエコシステムがあり、Cybertechは民間や産学だけではできないサイバーセキュリティエコシステムを形成する場として重要な役割を果たしてきた。

 日本もこの実例に刺激を受け、両国の経済産業省による日本・イスラエルのイノベーションパートナーシップを立ち上げる共同声明が発表されたのが2017年5月。日本でのCybertech Tokyoも同年から開催している。コロナ禍でしばらく中断していたが、今回、6年ぶりの開催となる。

 Cybertech Tokyoの特徴の1つが、官の存在だ。経済産業省だけでなく、2019年開催の前回は東京都の小池百合子知事が登壇。今年は防衛大学・学校長の講演が予定されている。

 日本のトレンドや情報、システム関係者向けのテーマをカバーしているだけでなく、グローバルトレンドや国境を超えたサイバー領域の協業を促進する議論などが行われているのも特徴だ。

 Cybertech Tokyo 2025では、オープニングプレナリーの中で、イスラエル・モサド元長官のYossi Cohen氏が登壇。イスラエル国家サイバー総局・前総局長のYigal Unna氏を聞き手として、イスラエルのサイバーインテリジェンスに関する対談が予定されている。

 そのほか、スイス・インド・イスラエル・アラブ首長国連邦と日本の国家レベルセキュリティリーダーによるハイレベルディスカッション、ウクライナ戦争に学ぶ有事におけるサイバーセキュリティ、生成AIの悪用に焦点を当てたセッションも予定されている。

 また、海運大国でありながら、日本ではあまり議論されていない「海事×サイバー」に焦点を当てたセッションも招待者限定で行われる。

 このようにCybertech Tokyoは海外市場におけるレピテーションリスクや国家間での戦略的リスク管理といった、国内イベントではあまり取り上げられないテーマが含まれており、海外展開を進める日本企業の経営者や事業責任者、情報システム部門の責任者や新規事業関係者にとって「未来の攻めと備えの視点」が得られる機会と言えるだろう。

主な講演のテーマと登壇者

  • 国家レベルのサイバーセキュリティ~Cybertech Tokyo初の国家レベルでの高レベル討論:日本、米国、イスラエル、中東、その他から参加する業界リーダーたちによるディスカッション~
    Florian Schütz氏(スイス連邦サイバーセキュリティ代表、国家サイバーセキュリティセンター)
    Lt. Gen. M.U. Nair氏(インド国家安全保障会議・前国家サイバーセキュリティ調整官)
    Yossi Karadi氏(イスラエル国家サイバー総局 総局長)
    Dr. Mohamed Al Kuwaiti氏(アラブ首長国連邦・国家サイバーセキュリティ評議会 議長)
    ※日本からの登壇者は調整中
  • 重要インフラを守るサイバーセキュリティ戦略:地上から宇宙まで~海事業界のサイバーセキュリティ:直面する課題と可能性/OT(制御系技術)とサイバーセキュリティ:リアル空間の守り方~
    Ann Dunkin氏(ジョージア工科大学 客員教授、米国エネルギー省元CIO)
    Sam Visner氏(米国宇宙情報共有分析センター・取締役会会長)
  • 次に来る技術は何か? CISO・起業家・投資家が大胆予測
    Hagai Itkin氏(元モサド・サイバー責任者、TAUベンチャーズおよびRAMOT会長)
    Robin Arthur Joffe氏(Frost & Sullivan / NXTHorizon共同創設者・パートナー)
  • サイバー脅威と国家戦略:進化するセキュリティ戦
    久保文明氏(防衛大学 学校長)
    武尾伸隆氏(経済産業省 商務情報政策局 サイバーセキュリティ課 課長)
  • 有事におけるサイバーセキュリティの教訓:ウクライナ戦争に学ぶ
    Victor Zhora氏(ウクライナ国家特殊通信局・前副局長、CERM(研究・モデリングセンター))
  • 国境なき世界での信頼構築:デジタルトラストの要件 データ保護と情報セキュリティが支える新たな信頼のかたち
    Assaf Kochan氏(Sentra共同創設者・社長、元イスラエル8200部隊司令官)