自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!
第40回
ルーターでIPアドレス配布するルールを設定する
2018年10月29日 06:05
前回までで、自宅LANの中をスッキリ見渡せるようにする手法をお教えしている。固定させると便利な機器のIPアドレスを固定して、自動で割り振られるスマホなどと共存しようというテクニックだ。一度設定しておけば、以後いろいろなWi-Fi利用する機器を加えつつ、長く使っていくと便利さが実感できる設定なので、ちょっとがんばってみよう。筆者が友人に頼まれて、インターネット接続とWi-Fiの設定をする際には、必ず設定してあげることにしている便利な設定だ。
ここまでで、どのようにすれば良いのかわかってもらえ、自宅のLANでのマイルールも決まってきたことと思うので、今回は、実際にルーターに設定をしてみよう。設定には、Wi-Fiルーターや回線接続機器のルーターなど、自宅のLAN内で実際に使用しているルーターの設定画面にアクセスする。
前回にこの仕組みは、DHCPサーバーの機能を使っていると解説したが、設定もその箇所を探す。製品によって項目は違っているが、たいてい「ルーター設定」や「サーバー設定」にて、「DHCP」や「IPv4払い出し」とか「IPアドレス自動配布」などという名前をを探してもらえば設定できるはずだ。
例えば、「192.168.1.100」からをDHCPサーバーの自動配布に任せるのであれば、「開始IPアドレス」に、該当アドレスを入力すればよい。オクテットごとにフォームがあるか全体を記入するかは機種に応じて柔軟に記入しよう。IPアドレス全体を入れる場合にはピリオドを含めてきちんと入れることと、すべて半角で入れることに注意する。
開始IPアドレスと同時に割り当てる個数も入力する。「192.168.1.100」からなら100個割当ても大丈夫だ。最大値「254」を超えないように気を付ければ、何台にしても問題ない。ただし、固定IPアドレスの範囲を後半の「200~」などとした場合には、これとだぶらない個数までに設定することが最重要だ。
「リース時間」とあるのは、自動配布したIPアドレスで固定される時間だ。あまり長くするとキープされる台数も多くなる。24~48時間あたりに設定しておくと良いだろう。初期値がそのあたりに設定されているはずなので、通常はそのままで構わない。この時間を過ぎるとIPアドレスが切り替わる。
あわせて設定する項目で「サブネットマスク」や「マスク長」と書かれている部分がある。これはLANを分類して使うためにある機能なのだが、深く考えずに「255.255.255.0」と記入すると呪文のように覚えてしまおう。IPアドレスに続けて記入する設定の場合「/24」と付けて、例えば「192.168.1.1/24」のように入力すると同じ意味になる。これで254個までIPアドレスが使える。サブネットマスクの設定が見あたらない場合には、改めて設定する必要はなく、上記の設定が固定されている機器もある。
ほかにも、「デフォルトゲートウェイ」と「DNS」の設定ができることもあるが、これらの参照先は設定中ルーターになるので、初期値のままで記入しなくても大丈夫だ。
これらサブネットマスクやDNSといった設定を詳しく知りたければ、LANの解説書でも読んで欲しい。家庭内LANのサブネットマスクでは「255.255.255.0」を覚えておけば問題ない。DNSは初期状態でルーターがプロバイダーからの情報を通知してくれる。ルーターで強制的に特定のDNSを通知させることもでき、例えばGoogleのパブリックDNS「8.8.8.8」と「8.8.4.4」を使いたいといった際に設定を変更したりする。こういった凝ったことをしなければ、そのままでOKだ。
設定値を入力したら、画面上で設定を反映させると自動的にルーターは再起動する。再起動後にDHCPサーバーは、接続したスマホのIPアドレスを自動割り当てをする。LAN内ではDHCPサーバーが1つだけ動作していることが重要。間違えて全部オフにしてしまうとスマホなどが繋がらなくなる。2つ動作していると動作が不安定になる。
スマホアプリの「Fing」やルーターのIPアドレスの状況確認画面で目的の数値から割り当てられているか、動作状況を確認しておこう。
次回は、IPアドレスを固定して利用する方法を実践する。
今回の教訓(ポイント)
LANのルーターで動作しているDHCPサーバーで自動配布の範囲を設定する
固定IPアドレスとダブらないようにDHCPサーバーの設定をしよう。
「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!」連載記事一覧
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