自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

第24回

新しめのiPhoneやiPad、Mac同士なら「Wi-Fiパスワード共有」が簡単

「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!」連載記事一覧

 前回は、スマホでQRコードを使ってWi-Fiルーターへの接続方法をお教えした。AndroidとiOS 11にて使えるので、利用できる端末は多いはず。今回はiOS 11から使えるようになったワイヤレスで接続中のWi-Fiルーターの暗号化キーを共有する手法をお教えしよう。

新しめのApple製品同士での接続では、ワイヤレスでスマートに情報を共有しつつ設定ができる。今回はその手法を実践してみよう

 利用できるのはiOS 11以上のiPhoneやiPad、もしくはmacOS High Sierra(10.13.1以上)が動作しているMac。つまりは新しめのApple製品を複数使っているというケースだ。家族でiPhoneでそろえていたり、Macに合わせてiPhoneやiPadも使っているというときにとても便利だ。最初の1台のWi-Fiルーターへの接続は手動設定が必要だが(これは設定時に接続済みなので問題無いハズ)、追加分スマホのWi-Fi接続を簡単に済ましてしまえる。

 この機能は「Wi-Fiパスワード共有」というのだが、接続したいSSIDを選び暗号化キーを入力するシーンでそのまま待機。その間にすでにWi-Fiルーターに接続済みの端末を近づけると、共有の確認画面が表示され、承認すると相手側は自動的に接続されるというものだ。手順を解説すると煩雑に感じるが、連絡先さえ登録されていれば、実際には一瞬で済んでしまう。

 動作環境以外の条件は、まずBluetoothがオンになっていること。もう1つは、お互いの「連絡先」に登録されていることだ。あらかじめモバイル回線でメッセージやメールを送り合っておこう。「AirDrop」という機能[*1]を使うと、モバイル回線などインターネットの接続がなくても近くのiPhoneやiPad、Mac同士で直接送ることができる。Wi-Fiはオンにし、ルーターには未接続のままでもOK。Bluetoothもオンにしておく。もちろんiPhoneやiPad同士でも問題ない。

[*1]……AirDropは、iOS 7以降、Mac OS X Lion以降から利用できる(iOSとMac間ではiOS 8、OS X Yosemite以降)。Wi-Fi暗号化キーのメモを作り、それをAirDropで転送して、コピペでキーを入力するという手法なら、ちょい古のモデルでも応用できるだろう。AirDropは、まだメアドやLINEなどメッセンジャーで繋がってない時点や、ネット接続がない環境でのファイル転送に便利。

まず、双方でBluetoothがオンになっていることを確認しておく。下からスワイプすると表示される「コントロールセンター」を使うと手早い。この画面はコントロールセンターをロングタップしたところ
お互いの端末で連絡先に登録されている必要がある。「AirDrop」を使えばモバイル回線がなくても近くにいれば送信可能。「連絡先」内で[連絡先を送信]を選択して送る
AirDropの送受信がうまくいかないときは、[設定]の[一般]→[AirDrop]にて[すべての人]を選んでいるか確認する

 準備ができたら接続の手順を見ていこう。まず接続させたい端末側(Wi-Fiルーターに未接続)でWi-FiルーターのSSIDを選んでおき、そのまま待機させる。

接続したいSSIDを選んで……
暗号化キー(パスワード)を入力する画面にして待機する

 この状態で、すでにWi-Fiルーターに接続済みの端末に近づけると確認画面が表示されるので、許可してあげるだけで自動で接続される。

端末同士が近くにあると、Wi-Fiルーターに接続済みの端末に「Wi-Fiパスワード」画面が表示される。送信して良ければ[パスワード共有]をタップ
うまくいくと完了画面が表示される。この時点で未接続だった接続待機中の端末は接続が完了しているはずだ

 家族でまとめてApple製品を使っているなら、この方法が最も簡単だ。また、iPhoneを持つ友人に自宅のWi-Fiをちょっと貸してあげたいときにも、覚えておくと便利。

 以前は「iPhone構成ユーティリティ」というツールを使った構成プロファイル作成を使った登録方法もあったのだが、配布は終了し「Apple Configurator 2」というMac専用ツールを使うようになってしまった。Macが手元にあればよいが、単なるスマホユーザーには少し敷居が高い[*2]。構成プロファイルを使った登録は、接続トラブル解消にも使えるので、もし機会があればトラブル解消のテクニックとして解説することにしよう。

[*2]……プロファイルの中身はXMLファイルなので、コードを手書きすることでも作成は可能。テキストエディタが利用できるなら環境を問わず作成できる。ただし、ちょっとだけ難解だ。

今回の教訓(ポイント)

Apple製品でiOS 11以上、もしくはmacOS High Sierraなら「Wi-Fiパスワード共有」でWi-Fi接続設定するとラク
Apple製品同士で近接ファイル転送ができる「AirDrop」もどんどん活用しよう。

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。