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ソラコム、IoT SIMの複数プロファイル追加・切替え機能と、AIによるIoTデータ分析基盤を発表

海外展開を支援する「SORACOM Connectivity Hypervisor」、自然言語で分析できる「SORACOM Query」

 株式会社ソラコムは7月9日、同社が提供しているIoTプラットフォーム「SORACOM」に、IoT SIMにおける複数の通信プロファイルを動的に管理・切り替えできる新機能「SORACOM Connectivity Hypervisor」と、AIによるIoTデータ分析基盤「SORACOM Query」を発表した。

低コストでIoT機器をグローバル展開

 SORACOM Connectivity Hypervisorは、2025年度中に提供開始予定の計画として発表された。同じく2025年度中に提供予定の「SORACOM IoT SIM」で利用可能になる。

 SORACOM IoT SIMは、GSMAが策定したIoT機器向けのeUICC(リモートからSIMプロファイルを書き換え可能なSIMカードの機能を内蔵したチップ)向けの規格である「SGP.32」を用いて提供される。SGP.32は、リモートでSIMのプロファイルを切り替えが可能になることが特徴。

 SORACOM Connectivity Hypervisorにより、SORACOM IoT SIMを採用したIoT機器を海外などで使用する場合、あらかじめインストールされたSORACOM回線でネットワークに接続し、その後、出荷先の国や地域、用途に応じた最適な通信プロファイルを追加・切り替えできるようになる。これにより、IoT機器をグローバル展開する場合に同じ仕様で展開できるようになり、工数やコスト削減につながるとしている。

 用途に応じて、通信容量や音声通話の有無などのプロファイルを追加でき、用途に応じた最適化ができるとしている。また、SORACOMのプロファイルをバックアップ回線として登録しておくことで、通信障害時に自動でプロファイルを切り替えられるようになり、冗長性を確保できる。

生成AIの自然言語処理でIoTデータ分析

 SORACOM Queryは、7月16日に提供開始の予定。SIMの状態や通信量、利用料金といったSORACOMプラットフォーム上に蓄積された通信管理情報、ならびにデータ収集・蓄積サービス「SORACOM Harvest Data」に蓄積された時系列のIoTデータを検索・分析できるデータ分析基盤サービス。

 正式リリースにあわせて、「Query アシスタント AI」機能を搭載した。この機能では、生成AIにより「過去1週間で、最も通信量が多かったデバイスをリストアップしてください」「IoTデータの異常値を検出してください」のような、自然言語での質問からSQLの命令への変換を行うことで、SQLに不慣れなユーザーでもデータの検索や分析を可能にする。

 本件にあわせて、同社がOpenAIが提供する「OpenAI API プラットフォーム」のエンタープライズ契約を締結したことも発表された。