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屋外でWi-Fiも電源もない。そんな場所にクラウド録画カメラをポン置きできる「ソラカメ」のソーラーキット発売

 株式会社ソラコムは、クラウド録画カメラサービス「ソラカメ」を屋外に設置するための機材をまとめた「ソラカメ屋外スターターキット」「ソラカメ屋外ソーラーキット」を7月16日から販売すると発表した。

Wi-Fi環境がなくてもOK。LTEルーターなどを防水ケースに収めた「ソラカメ屋外スターターキット」

 「ソラカメ屋外スターターキット」は、電源がある場所であれば、Wi-Fi環境がなくてもソラカメを使い始められるセット。IP65の防水・防塵仕様で、首振り(パン/チルト)機能を備えたフルHD対応ネットワークカメラ「ATOM Cam Swing」1台に加え、「USB LTE/Wi-Fiルーター」1台、LTE回線の「大容量アップロード通信SIM」1枚、ルーターなどを収める屋外用防水ケース、防水AC電源アダプターがセットになっている。ケースは大きさが154×103×30mm。

「ソラカメ屋外スターターキット」

 同キットの価格は3万9600円。このほかに、LTE回線のデータ通信料金が月額5500円、ソラカメのライセンス利用料金(カメラ1台あたり月額990円~)が必要。

電源がなくてもOK。ソーラーパネルやバッテリーをまとめた「ソラカメ屋外ソーラーキット」

 「ソラカメ屋外ソーラーキット」は、Wi-Fiだけでなく、電源もない場所でソラカメを導入するためのセット。「USB LTE/Wi-Fiルーター」1台、LTE回線の「大容量アップロード通信SIM」1枚に加え、移動式の電源供給ユニットがセットになっている。

「ソラカメ屋外ソーラーキット」(※カメラは別売)

 電源供給ユニットは、ソラカメが常時録画を想定したビジネス向けサービスであることを踏まえ、そのためのカメラ駆動・通信に必要な電源容量を設定。諏訪三社電機製のソーラーパネルと大容量バッテリーを採用し、無日照環境下でも最大3日間、ソラカメを連続使用することが可能な構成とした。

 ソーラーパネルは50W・18Vのもので、大きさは500×600×17mm。バッテリーや電流制御装置を収容する電源BoxはDC12V・26Ahで、IPX5準拠の防水仕様。大きさは450×350×201mmで、ルーターなどもまとめて収容して屋外に設置するかたちとなる。専門業者による工事が不要で、機材全体の重さが25kgのため、台車などで移動・運搬が可能だとしている。

 同キットの価格は28万4570円。なお、キットにカメラは含まれていないため、「ATOM Cam 2」などのソラカメ対応ネットワークカメラを別途用意する必要がある。また、LTE回線のデータ通信料金が月額5500円(500GB/月)、ソラカメのライセンス利用料金(カメラ1台あたり月額が990円~)が必要。

「Wi-Fiと電源があれば」→「Wi-Fiも電源もなくても」

 ソラカメは、ネットワークカメラの映像をクラウドに録画するタイプのサービスとして、2022年5月に提供を開始。対応するネットワークカメラが3980円~(「ATOM Cam 2」の場合)という初期費用の手頃さと、「電源とWi-Fiがあれば、工事不要ですぐに使い始められる」という設置のハードルの低さにより、これまでカメラの設置をあきらめていた製造業、建設、物流、小売など、さまざまな業界で活用が広がったという。

 一方で、「屋外には設定できないのか?」「屋外に設置したいが、防水の筐体が準備できないためサポートしてほしい」「Wi-Fi環境がない」「Wi-Fi環境どころか、電源すらない。しかし、そのような僻地で現地に行くのが大変だからこそ、ソラカメを設置したい」といった声などが寄せられてきたという。今回発表した屋外設置用のキットは、こうした要望に応えたもの。

 ソラコムでは、以下のような業界・屋外ユースケースでソラカメの活用を見込んでいる。

  • 建設・土木(施工の進捗確認や、資材・機材置き場の管理)
  • 製造業(屋外設備やバースの監視)
  • 小売(商業施設の屋外駐車場など)
  • 不動産・住宅(屋外設備の管理)
  • 農業(農作物の育成監視)
  • インフラ(太陽光発電施設)
  • 防災(避難所、水域監視など)
  • 港湾・河川(パトロール、状況把握)
  • 屋外施設や移動店舗(キャンプ場、ゴルフ場など)
  • 観光施設(神社仏閣・勝景地での状況管理)