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【使いこなし編】第199回

Synology「BeeStation」と「オフラインアクセス」機能で、ファイルを便利に持ち歩く

 Synologyのパーソナルクラウド「BeeStation」の活用を、第185回回から実践している。これまで「BeePhotos」アプリを使ってスマホやPCの写真を管理し、前回からはファイル管理アプリの「BeeFiles」を使ってきたが、今回は、BeeFilesの使った少し変わった技を紹介しよう。

 「BeeStation」は一種のNASで、インターネット経由でどこからでも簡単にアクセスできることが特徴の1つだ。スマホやPCから「BeeFiles」アプリを使うことで、自宅に置いたBeeStationに保存しているファイルにアクセスできる。

 そして、「BeeFiles」アプリには「オフラインアクセス」という機能があり、あらかじめファイルの内容をダウンロードしておくことで、インターネットにつながっていなくても、ファイルを開ける。この機能を使えば、USBメモリなどに近い感覚でファイルを「持ち歩く」ことができる。

外出先で開きたいファイルに設定しておこう

 写真や動画、重要な文書など、外出先で開く可能性があるファイルは、積極的にオフラインアクセスを設定しておくのがおすすめだ。フォルダ単位では設定できないため、必ずファイルごとに設定しないといけないが、複数のファイルをまとめて設定することもできる。BeeFilesでファイルを選択し、メニューから[オフラインアクセス]を設定すればOKだ。

BeeFilesアプリで、[ファイル]タブを開いて、アップロードしたファイルの一覧を開く
この一覧のファイル全てにオフラインアクセスを設定してみよう。まず、ファイルを1つロングタップして選択する。[1個のアイテムが選択されました ]と表示されたら、そのメッセージの右にあるメニュー([v]と表示された部分)をタップする
メニューから[すべて選択]を選ぶと、フォルダ内の全てのファイルを簡単に選択できる。全てのファイルを選択した状態で、最下部右のメニューボタン(縦に点が3つ並んだところ)をタップする
メニューで[オフラインアクセス]を選ぶと、データがスマホ内にダウンロードされる
ファイルを1つだけ選択した状態でメニューボタンをタップすると、このようなメニューが表示される
ファイルの一覧では、オフライン状態を示すチェックマークが表示され、オフラインアクセスの設定を判別できる

 オフラインアクセスを設定したら、試しに機内モードをオンにして、通信しない状態にしてから「BeeFiles」でファイルを開いてみてほしい。問題無く開けるはずだ。つまり、この設定をすれば、データはローカル(スマホ)側にあるため、BeeStationにはアクセスしない。

 なお、オフラインアクセスを利用すると、それだけスマホのストレージを圧迫する。必要なくなったものは、オフラインアクセスを解除しておいた方がいい。解除したい時には、同じ操作でファイル選択してメニューを表示させ[オフラインアクセスを無効化]を選ぶ。

キャッシュでも同様のことができる

 オフラインアクセスとして明確に設定しなくても、BeeFilesで一度開いたファイルはキャッシュ(一時的に保存されたデータ)としてスマホ内にデータが残りされ、オフライン状態でも開ける。ただし、キャッシュは一定の容量を超えると古い順に削除されていくため、オフラインアクセスと違って確実性はない。

 スマホの容量に余裕があるなら、キャッシュサイズを大きめにしておくと、よく使うファイルを速く開けるようになり、便利だ。

キャッシュのサイズを変更する場合は、[その他]タブで[設定]を開く
[キャッシュ管理]をタップする
[最大キャッシュ量]をタップする。iOSでは、開かずにこの画面で直接選択できる
容量を許容できる最大容量に設定しておこう。使いながら様子を見て大きくしていってもいい

今回の教訓(ポイント)

オフラインアクセスを設定しておくと、回線接続がない時にも利用できる
キャッシュを大きく設定し、アプリで一度開いておくだけでも便利になる

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。