場所のまとめページ「Google プレイス」本格展開、渋谷500店でキャンペーン

　グーグル株式会社は、個々の店舗や場所に関する情報をまとめたページ「Google プレイス」のサービスを、日本でも本格展開する。まずは8月23日から9月30日まで、東京・渋谷で約500店が参加するキャンペーンを展開。Google マップのおなじみのピンをかたどったうちわも駅などで配布し、同サービスの認知拡大を図る。

（向かって左から）グーグル株式会社執行役員マーケティング本部長の岩村水樹氏、製品開発本部長の徳生健太郎氏、シニアプロダクトマネージャーの河合敬一氏	9月6日から渋谷駅で掲示・配布するGoogle プレイスうちわの拡大写真

　「Google プレイス」は、店舗や駅、公共施設などのあらゆる場所について、その場所ごとのまとめページとなる「プレイスページ」を生成し、情報を見やすく提供するものだ。これらプレイスページでは、例えば飲食店であれば、住所や地図、営業時間、定休日、連絡先、メニューや予算、内装や料理の写真、インターネット上の口コミ、クーポン情報、関連するウェブページへのリンク、Google マイマップからの関連情報などが表示される。

　プレイスページは、グーグルがパートナー企業から提供を受けている電話帳やグルメ情報サイトなどの情報を“横串”を通して検索した結果と言えるもので、それらのサイトがカバーしている店舗単位で自動的に生成されている。住所や営業時間などの情報もグーグルがインターネット上からクロールしてきた結果に基づくものだが、その店舗のオーナーとして登録（無料）すれば、店舗概要として間違っている掲載されている情報を訂正したり、新たに店舗の概要や写真、メッセージを追加するなどの編集が可能だ。

　店舗のほか、駅などのプレイスページもあり、クーポン情報などの代わりに時刻表の情報を充実させるという。さらには、街や市などのエリア単位のプレイスページもある。

渋谷にある「ベルマーレ」というイタリアンレストランを検索した結果。なお、明示的に「プレイスページ」と表示されない場合もあるようだ	イタリアンレストラン「ベルマーレ」のプレイスページ

プレイスページを構成する要素	プレイスページの仕組み

　「Google プレイス」は2009年9月に世界でサービスをスタート。日本でも情報の充実を図ってきた。

　今回のキャンペーンは、渋谷の街の活性化を目的とした非営利団体「SHIBUYA 1000」や、渋谷センター商店街振興組合など渋谷の5つの商店街が協力。参加する約500店の店頭には、その店舗のプレイスページにアクセスできるQRコードを掲載したステッカーを掲示し、通りかかった人が携帯電話やスマートフォンで店舗の概要をチェックできるようにする。

　さらに渋谷駅には、プレイスページに誘導するポスターを掲示。例えば、「日焼けに負けない。」というキャッチコピーとともに、「渋谷　コラーゲン」という検索キーワードを掲げ、コラーゲン料理を出すレストランのプレイスページに誘導するといったものなどだ。

　さらに9月6日からは、渋谷の地図の巨大ポスターも投入。地図上には、たくさんの店舗がGoogle マップのピンでプロットされているが、じつはそのピンはうちわが貼り付けられたものとなっており、通行者は気になった店舗のうちわをはがして持ち帰ることで、そこに記載されたQRコードからその店舗のプレイスページにアクセスできるようになっている。

キャンペーン協力店店頭のステッカー（写真提供：グーグル株式会社）	渋谷駅でのポスター掲示例（写真提供：グーグル株式会社）	渋谷駅でのポスター掲示例（写真提供：グーグル株式会社）

　グーグル執行役員マーケティング本部長の岩村水樹氏は、今回のキャンペーンではGoogle マップのピンを象徴的に用いたとして、「このピンがあるところには、情報がたっぷりある」とアピールした。岩村氏は、多くのユーザーは飲食店などを探す際に事前にインターネットで検索しているが、店舗のオーナーにとっては自前でウェブページを開設して日々更新していくことは容易ではないと説明。プレイスページに店舗のオーナーとして登録してもらうことで、ユーザーに店舗を発見してもらうための入り口になるとし、「Google プレイスは、お店やサービス、ユーザーをつなげるプラットフォームだ」と強調した。

　Google プレイスについてはこのほか、日本全国を対象に「フレンチ」「美容院」「うどん」などの日替わりのテーマでプレイスページを体験できるランディングページも開設した。

　なお、現時点における国内のプレイスページの具体的な数は公表していない。

Google プレイスうちわには、個々の店舗バージョンのほか、Google プレイスそのものを紹介するバージョンもある	記者発表会の会場となった渋谷のホテルの窓には、Google マップのピンをモチーフにしたディスプレイも