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欧州最大のソフトウェアダウンロードサイト「Softonic」が日本進出

実名・顔出しでソフトをレビュー・星付け評価


 株式会社ソフトニックは9日、オンラインソフトのレビュー/ダウンロードサイト「Softonic」の日本語サイトをオープンしたと発表した。Windows、iOS、Android用など1000本のソフトを紹介している。扱うのは基本的にフリーソフトで、有料ソフトについては無料の試用版があるものに限られる。

Softonic Internationalの創業者兼社長であるトマス・ディアゴ氏。9日に都内で開かれた記者会見にSkype経由で参加した Softonicの概要

 Softonicは、スペイン・バルセロナのSoftonic Internationalの創業者兼社長であるトマス・ディアゴ氏が1997年に開始したサービス。スペイン語サイトのほか、2004年以降、ドイツ語、英語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、中国語、ポーランド語、オランダ語にもサービスを拡大。特に欧州ではソフトウェアダウンロードサイトで最大規模で、中南米でも高い知名度があるという。現在、13万本以上のソフトを紹介しており、月間ダウンロード数は9000万件以上、月間ユニークユーザーは6000万人以上に上る。

 特徴は、コンテンツエディターと呼ばれる自社社員がソフトを1本1本テストし、実名で顔写真を公開してレビュー記事を執筆・掲載している点。その結果をもとに各ソフトに星付け評価をしていることから、“ソフトウェアのミシュランガイド”とも称されているらしい。

 なお、Softonic Internationalの社員200人のうち、3割にあたる60人がコンテンツエディターとなっている。

ターゲットは一般ユーザー、「Vector」「窓の杜」と差別化

ソフトニック代表取締役社長兼CEOで、Softonic International執行役員兼ジャパンカントリーマネージャーでもある内田隆氏

 日本語サイトは、Softonicの10カ国語目のサービスにあたる。日本法人は2009年11月に設立され、約1年間にわたりレビュー記事の準備を進めてきた。レビュー記事は、他の言語の翻訳ではなく、言語ごとにコンテンツエディターが書き起こすのがポリシーだ。今回、1000本のラインナップとともに本格オープンしたかたち。

 オンラインソフトのレビュー/ダウンロードサイトとしては、日本では「Vector」や「窓の杜」が有名だが、ソフトニックの内田隆代表取締役社長兼CEO(Softonic International執行役員兼ジャパンカントリーマネージャー)は、同社の特徴として「ITのコアユーザーではない、一般ユーザーをターゲットにしていること」と説明する。

 Softonicのグローバルでのユーザーは50〜60代のシニア層や女性、10代の子供、ビジネスパーソンまで幅広い。内田社長は、「自分の両親や妻、子どもにも安心して使ってもらえるサイトでありたい」と強調。「アダルトは論外」と述べるほか、美少女ゲームソフトを主要カテゴリーの1つとしてトップページで大きく扱ったり、トップページにアニメの広告を掲載することもしない方針だ。

 また、グローバルでソフトの情報を共有しているため、日本語版がなく、まだあまり知られていないような優良ソフトも、国内ユーザー向けに日本語で紹介していけるのも強みだとした。


Softonicの優位性 Softonicのサイトデザイン

 Softonicではレビュー記事のフォーマットも細かく決めている。日本では記事本文の分量は4段落から5段落に収められる。まず、1段落目でそのソフトの概要がつかめるよう説明し、2〜3段落目でインストール方法や利用するシチュエーション、操作方法などに言及。4段落目で必ず惜しい点を正直に指摘した後、5段落目で結論を述べるという流れだ。

 さらに記事の最後には、「良い点」「惜しい点」をそれぞれ3〜5項目にまとめた上で、Softonicとしての評価を5つ星(10段階)で表している。

 無料の会員登録をすれば、ユーザーがレビューを投稿することも可能。ユーザーの意見も参考にできるほか、それらを集計した5つ星(10段階)評価もあわせて表示される。


「Softonic」日本語サイトのトップページ 各ソフトのレビュー記事ページの例

 ダウンロードリンクも大きくわかりやすいよう掲載しているという。クリックすると、専用のダウンロードツール「ソフトニックダウンローダー」が立ち上がり、基本的にSoftonic上でダウンロードからインストールまで行える仕組み。ただし、ソフト開発者の要望により、開発者のサイトへのリンクとすることもありえるという。

 各ソフトのレビューページのフォーマットを統一していることで、一般ユーザーでもすぐにサイトデザインに慣れることができ、どのソフトでもすぐに概要を把握できるとしている。

 Softonicで紹介するソフトに対しては、30以上のスキャンエンジンでチェック。ウイルスフリーであることを保証する盾のマーク“セキュリティシール”を一部の言語サイトで表示しており、日本でも来年から導入する。

2015年までに、ソフト30万本の日本語レビューを掲載

 日本語サイト開設時点で紹介されている1000本のソフトは、約7割がWindows用で、約3割がモバイル向け。モバイルの内訳は、iPhoneが約200本、Androidが約100本のほか、携帯電話のJavaアプリも10本ほどある。

日本語サービスにおける今後の展開予定

 グローバルではWindowsとMac OSがまだ多いというが、それと比較して日本語サイトでは当初からモバイルの比重を高くした。来年にはモバイル向けでBlackBerryとWindows Phone、パソコンではMac OSも取り扱いを開始。さらにはSaaSやクラウドサービスなどのウェブアプリもカバーしていく予定だ。

 2015年までに、日本語サイトだけで30万本のソフトを紹介するのが目標。iPhone、Android用アプリの増加ペースや、Windows、Mac用ソフト全体の数からすれば、決して大きくはない数字だと内田社長は説明する。同じく2015年時点で、月間ダウンロード数3000万件、月間訪問者数3000万人が目標だ。

 なお、Softonicの主な収益源は広告だが、レビュー記事は広告とは切り離されており、コンテンツエディターが中立的に執筆・評価しているという。広告記事も一切ないとしている。広告は、Softonicのウェブサイト上のバナーのほか、「ソフトニックダウンローダー」にも表示できる。独自の広告プラットフォームを自社開発、グローバルでは11月に運用を開始しており、日本でも来年から導入する予定だ。ソフトダウンロードサイトという性質上、ユーザーの利用目的もはっきりしており、広告主にとってはターゲティングしやすいと説明している。

 ソフト開発者向けには、無料のダウンロードスティングサービスも用意している。開発者の製品紹介ページなどにSoftonicのダウンロードボタンを設置できるものだ。日本では現在、セキュリティソフトのAviraなど13社がパートナーとなっている。開発者向けにはこのほか、Softonicのロゴや星による評価を自社ページで表示できるバッジも配布しており、Softonicで紹介されたこと示すことができるようになっている。


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(永沢 茂)

2010/12/9 16:20