全国の世帯のブロードバンド契約率は67.5%に~ICT総研の推計


 株式会社ICT総研は10日、ブロードバンドサービスの普及状況に関する調査結果を発表した。

 4月~6月に実施した全国のインターネットユーザー約8000人に対するウェブアンケートと、ブロードバンドサービス事業者への取材をもとに分析したもの。

 これによると、3月末のブロードバンドサービス契約数は推計3507万3000件。回線別の内訳は、光回線が2027万件、ADSLが820万件、CATVが579万件、WiMAXが81万件。WiMAXについては、UQコミュニケーションズが自社ブランドやMVNOを通じて提供することで1年間で65万件増加したという。今後もエリア拡大に伴い増加すると見込んでいる。

 全世帯数に対するブロードバンドサービスの普及率は67.5%。ただし、地域別で見ると大都市圏と地方部で大きな開きがあるとしており、関東で77.5%、関西で74.4%であるのに対し、四国は51.9%、北海道と東北は52.8%、九州は53.4%、中国は57.6%にとどまっている。

 ICT総研では、生産年齢人口が大都市圏に流出し、ICTの利活用が得意な20~50代の年齢が減少していること、CTAVやWiMAXなどのサービスを受けられるエリアが少ないことなどが、地方部での普及率の低迷を招いていると指摘している。

 ICT総研の報告では、東日本大震災の被災地となった東北地方についても言及。復興促進のためにはICT関連の政策も望まれるとし、ブロードバンドサービス導入のための利用料金補助のほか、就業拠点としてのデータセンターやICT開発拠点の誘致を行いやすくするための税制優遇策などが有効だとしている。


関連情報


(永沢 茂)

2011/6/13 06:00