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「書籍の“自炊”代行は複製権侵害」出版社7社と作家122人が業者に質問状


 講談社、角川書店、集英社、小学館、光文社、新潮社、文藝春秋の7社と作家・漫画家ら122人は5日、書籍の裁断やスキャンを行う、いわゆる“自炊”を代行する事業者約100社に対して質問状を送付した。自炊代行は複製権侵害にあたると指摘した上で、今後もサービスを継続するかなどについて、9月16日までに回答するよう求めている。

 ユーザー自身が個人的な目的で書籍を裁断してスキャンする“自炊”は、著作権法の「私的複製」として認められている。しかし、私的複製の範囲を規定する著作権法30条1項では、「『使用する者が』複製することができる」と書かれていることから、出版社などによれば、自炊の代行サービスは複製権(著作権法21条)侵害にあたるという。

 質問状では、多くの自炊代行サービス事業者が、サイト上で「著作権者の許可を得た書籍のみ発注を受け付ける」「発注された書籍は著作権者の許可を得たものとみなす」といった注意書きを記載している点に対して、質問状の差出人である作家は許諾していないと通知。

 その上で、今後も自炊代行サービスを継続するかどうか、「ア.当社は今後、差出人作家の作品について、依頼があればスキャン事業を行う予定です」「イ.当社は今後、差出人作家の作品について、依頼があっても、スキャン事業を行うことはありません」から選択するよう求めている。

 また、スキャンの発注を受け付けるに際して、依頼者が実際に私的利用を目的としているかどうかの確認の有無や、法人からの発注に応じているかどうかについても尋ねている。

 このほか、自炊の代行事業者の中には裁断済みの書籍を利用者に返還する者も少なくなく、実際に裁断済みの書籍を販売できるサイトやネットオークションで数トン単位の裁断本が一度に出品されるなど、裁断本は相当量が市場で流通していると指摘。現状では「紙の本が消えてデータに変わるだけ」と言うことはできないなどと苦言を呈している。


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(増田 覚)

2011/9/5 19:32