Android端末情報を許諾なしに取得・送信、ミログ「app.tv」がサービス停止


 株式会社ミログは10日、動画コンテンツ配信プラットフォーム「app.tv」を利用したAndroid向けアプリが、ユーザーの許諾を得ない段階で端末情報を取得・送信していたとして、サービスを全面停止した。ミログでは現在、ユーザーに対してアプリのアンインストールを促している。

 ミログでは7月、アニメやドラマをタイトルごとにアプリ化して提供する配信プラットフォーム「app.tv」を開発し、Android向けアプリの提供を開始。ミログでは、アプリを利用しているユーザーは、広告アプリをインストールすることでアプリ内で利用できる仮想通貨が無料で獲得できる一方、広告主はアプリのインストールを成果とした成果報酬型の広告が出稿できるとともに、ユーザーが保有するアプリ属性に連動したターゲティング広告が可能と説明していた。

 ミログでは、外部からの指摘を受けて情報取得の詳細を精査したところ、app.tvではアカウント登録時にプライバシーポリシーおよび利用規約に明示的に同意を得たユーザーに対して、アプリ情報などを取得・送信していたが、開発過程の瑕疵によりアカウント登録前の時点で情報送信が開始される誤作動があったと説明。サービスを全面停止するとともに、ユーザーに対してアンインストールを促す措置を開始した。

 ユーザーから取得していた情報としては、Android端末が保有している個体識別番号、Android OSのバージョン、ブランド名(メーカー名等)、デバイス名、Android端末製造者名、機種名、製品名、サービスプロバイダー(通信キャリア)名、端末にインストールされているアプリケーション一覧、端末から取得できるアプリケーションの起動履歴一覧が挙げられている。

 今回、これらの情報を同意なしに取得・送信していたことが明らかになったとして、ミログではサービスを停止した。ミログでは、同社として意図しない重大な瑕疵があった責任を重く受け止め、最大限誠意をもって取り組み、説明責任を果たしていくとしている。しかし、同意を求める画面やプライバシーポリシー、利用規約などに掲載されていた文章だけでは、これらの情報をユーザーから取得するアプリであることが十分に説明されていないという批判も上がっている。

 また、ミログではアプリ開発者向けに、ユーザーから情報送信の許可を得られた端末1台につき月額1円を支払う「AppLogSDK」の提供を9月27日に開始していたが、こちらについても脆弱性への対応とサービスの改善のため、10月10日にすべてのサービスを停止すると発表した。


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(三柳 英樹)

2011/10/11 19:19