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KDDIウェブコミュニケーションズ、月額945円のVPS「CloudCore VPS」提供開始

〜新しいクラウドブランド「CloudCore」設立第一弾


 株式会社KDDIウェブコミュニケーションズは、クラウドブランド「CloudCore」を設立し、第一弾サービスとして11月15日より「CloudCore VPS」の提供を開始すると発表した。利用料金は、CPU 1コア・メモリ2GB・ディスク100GBで月額945円から(12カ月契約初年度月額費用割引キャンペーン適用時)。

 「CloudCore VPS」はKVMベースの完全仮想化環境を自社でスクラッチから開発。これにより、クラウド環境下でも安定稼働でき、CPU 1コア・メモリ2GB・ディスク容量100GBで月額945円からという低価格での提供が可能になったという。低価格ながら、VMイメージの自動バックアップ・リカバリ機能をサポートする。FreeBSD、SolarisなどLinux系以外のUnix OSにも年内をめどに対応する予定だ。

中小企業が使いやすい、“超楽”なクラウドサービス

株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ代表取締役社長 山瀬明宏氏

 株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ代表取締役社長 山瀬明宏氏は、「東日本大震災以後、2つの需要が増えた。1つはいまオフィスにあるサーバーをデータセンターなど安全なところに置きたいというもの。これはハウジングやホスティングサービスで間に合う。2つめは、システムは東京のデータセンターに置いているが、バックアップを、東京だけでなく複数の物理的に離れたデータセンターに分散したいというもの。データセンターの仮想化の技術が必要で、これはデータセンターでは解決できない。こうしたクラウドでなければ解決できないサービスがある」と、クラウドでなければ解決できないニーズを具体的に説明。

 「そういう意味でクラウドは素晴らしい。ただし、クラウドにも問題はある。問題は、難しいということ。たとえば、Amazon EC2は、西海岸と東海岸にデータセンターがあり、2つのデータセンターを1つのデータセンターのように利用することが可能だ。ただし、それを実際にやるためにはネットワーク、サーバー、アプリケーションなど広範かつ深い知識がないと扱えない。難しいということは、人件費がかかるということ。クラウドというのは、コストカットのソリューションだから、大企業であれば人件費がかかっても、トータルではコストアップにならないという判断があるが、それは大手SIを使える大企業に限られる。」

 「中小規模、SMBの事業所ではSIを使ったことすらない企業がたくさんある。初期費用が高いと、中小・零細や、立ち上げ時のベンチャーでは使えない」として、クラウドは中小企業にとって有用ではあるがハードルが高いと指摘した。

 そうした状況の中、KDDIウェブコミュニケーションズはもともと中小企業の顧客が中心であったことから、「SMB事業者が使えるクラウドをやろう、このマーケットをコミットしていこう」と決めたという。クラウドサービスへの参入では後発となることから、サービスコンセプトを明確にする必要もあった。

 SMB事業者が使えるクラウドとは何かを考えた結果、“超楽”というコンセプトを打ち出した。山瀬氏は、「“超楽”のコンセプトを入れて作ったのが『CloudCore』というブランド」だと述べた。CloudCoreのブランドのもと、「クラウドを2つの点で楽にしていこう。機能面で楽にするサービスが、今日からリリースする『CloudCore VPS』。ソリューションとして楽にするのが、12月15日にリリースする『CloudCore Hybrid』。人間のサポートによって楽にしようというサービスだ」と年内に新規リリースする2つのクラウドサービスの特長を述べた。

 VPSサービスの、「機能面で楽にする」とは、具体的には、エンジニアが作業を楽にするための機能を実装しようという考え方だという。

中小企業にとって、クラウド導入のハードルは高い “超楽になるクラウド”が、CloudCoreのブランドコンセプト 11月15日にCloudCore VPSを、12月15日にCloudCore Hybridをリリース

 山瀬氏は、価格的にはさくらのクラウドと競合する価格帯になるが、「さくらインターネットの田中社長は『クラウドはレッドオーシャンだ、レッドオーシャンを泳ぎ切る』と言っているが、自分はそうは思っていない。後発ということもあって、きちんと切り口を作って、SMB市場に特化してサービスを提供していく」とコメント。

 特定の顧客層に狙いを定めることは、「マーケットが拡大していなければ無理だが、年率20〜30%という成長が見込まれているから可能になる。さくらインターネットでは双日と組んでエンタープライズもやろうとしている。だが、うちはそこはやらない。SMBのIaaS・PaaSが伸びていくのかはわからない。しかし、インターネットやクラウドはビジネスに非常に役に立つものなので、活用は広まると考えている」として、エンタープライズにもビジネスを広げるさくらインターネットとSMBに特化するKDDIコミュニケーションズとのスタンスの違いを強調した。

 SMBへのクラウド導入については、「中小企業の最大のポイントは費用。安く使えることが一番重要だ。一人月100万円の高いスキルを持つ技術者を必要とする、これまでなら1カ月かかっていた開発が、半月でできたら50万円のコストダウンになる。機能やAPIを提供することで、そういう“超楽”なVPSを提供しようというのがCloudCoreのサービスコンセプトだ」とした。

 そのために、もうひとつ重要なポイントとして「支援力は高めるが、顧客の金銭的負担が高まらない」ことを挙げた。そのために、オンラインサポートを積極的に取り入れ、サポートコストを抑えて顧客満足度を高める方針だと述べた。

 

「クラウドを使って、楽に運用・開発ができるようにしたい」

 株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ SMB事業本部 ホスティング事業担当副本部長 角 俊和氏は、CloudCore VPSについて、「VPSは開発者向けサービスと考えているが、“勉強しなくても使える”、“今のスキルで使える”クラウドをコンセプトにサービスを開発した」とサービスのコンセプトを説明。

 「ClodCore VPS」の月額980円からという価格については、「価格性能比で、超ハイパフォーマンスなクラウドを用意した。ちょっと前の専用サーバーに近い性能を月980円で利用できる。コストパフォーマンスでは、日本一、世界一ではないかと自負しているのでぜひ無茶な使い方をしていただきたいと考えている」とコストパフォーマンスには絶対の自信を見せた。

 また、「KVMベースにしたのは、OSの選択肢を増やしたかった。CentOSだけでなく、手慣れたOSを使った既存システムと同じOSでお使いいただけるようにと考えている。既存のシステムを別のOS上に移植すると手間がかかる」と述べ、顧客企業が開発コストや工数を軽減するために対応OSの幅を広げると説明。

 「遠隔地からBIOSレベルの操作ができる。ディスクイメージが丸ごと過去に戻せる。手元にあるマシンのように楽に管理ができる」とCloudCoreブランドコンセプトである“超楽”を具体的に説明した。

 今後、複数台管理、全機能にAPI、大容量ストレージなども提供を予定。こうした機能強化によって、顧客企業がこれまで1人月100万かかっていたものを半月で開発できるなど、管理者・開発者の負担を軽減するための機能強化を継続的に行っていく。

 また、顧客企業が現在のサーバーやクラウドから、簡単にコンバートするツールの提供も予定している。逆に、また、KDDIウェブコミュニケーションズから他社へのコンバートツールも用意する。このため、事業継続計画(BCP)や災害復旧(DR)のソリューションとしても利用できると説明。「システムを1カ所に置くのは不安という顧客には、バックアップとしても利用していただけると考えている」。

角氏「コストパフォーマンスは日本一、世界一」 多様なOSサポートで、移植コストがかからないように配慮 安心して運用できるよう、イメージバックアップ&リカバリ機能を提供。リモートコンソール機能も年内に提供予定
今後対応予定の機能 今後、自社サーバーや他社クラウドからの移行ツールも提供予定 CloudCoreサービスのロードマップ

 12月15日に提供開始を予定している「CloudCore Hybrid」について角氏は、VPSが開発者向けであるのに対して、IT担当者向けクラウド・ソリューションだと説明した。

 クラウド基盤をベースに、KDDIウェブコミュニケーションズのスタッフが、顧客のニーズに合わせて最適なシステムを提案するというサービスとなる。構成の選択幅がある程度決まっているVPSサービスなどとは異なり、ハイスペック専用サーバーや仮想インスタンス、ロードバランサー、VPN機器なども利用でき、スケールアウトにも対応。企業の用途に合わせて柔軟な構成が取れることと、専門スタッフによる完全なサポートが特徴で「お客様の問題を解決する提案型クラウドソリューション」(角氏)となる。

 角氏によれば、今後CloudCoreブランドでは、開発者支援制度も設け、開発コミュニティーへのサーバー提供や勉強会用の会場提供も行っていくという。




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(工藤 ひろえ)

2011/11/15 17:10