アイ・オー、Windows Home Server 2011搭載のSOHO向けオールインワンNAS


Windows Home Server 2011搭載のオールインワンNAS「HDL-Z2WHシリーズ」。12月上旬出荷開始、2TBで7万9800円(税別)

 アイ・オー・データ機器は、Windows Home Server 2011(以下WHS2011)を搭載した、小規模事業者および家庭向けのオールインワンNAS「HDL-Z2WHシリーズ」を発表した。容量2TBで標準価格は7万9800円(税別)で、12月上旬の出荷開始を予定している。

 アイ・オーでは、Windows Strage Server 2008 R2を搭載し、最大50ユーザーが利用可能な既存のNAS製品「HDL-Z4WSAシリーズ」および「HDL-Z2WSAシリーズ」「HDL-Z2WSLPシリーズ」が中小規模事業者向けであるのに対して、WHS2011を搭載する今回の「HDL-Z2WH2T/1D」はユーザーの利用制限数が10ユーザーとなっており、より小規模な事業者やホームユース向けと位置づけている。

 小規模事業者でITの専任管理者がいないような場合も比較的楽に導入できるよう、今回のNASではオールインワンの使いやすさを重視。アンチウイルスソフト「ESET NOD32 Antivirus」の90日間無料試用版、仮想ドライブを構築するソフト「VVAULT2.0 Basic」、イメージバックアップ「Active Image Protector 3.0」をプリインストール。追加投資を抑え、導入のハードルを下げた。

 「VVAULT 2.0 Basic」は、株式会社オレガの製品で、同社サイトで公開している無料版のVVAULTと同等機能となる。増設可能なストレージ数は、仮想・バックアップとも各2台まで。「HDL-Z2WHシリーズ」でHDDを増設した場合は、2つの物理ドライブを統合し、1つの大容量ストレージとして仮想化できる。仮想ドライブを常時複製し、障害時には破損したファイルを即座にリカバリーすることができるライブ・バックアップやライブ・リストア機能も備える。HDDの空き容量があらかじめ設定したしきい値を下回った場合に、管理者に告知する機能も備える。

 また、イメージバックアップソフト「ActiveImage 3.0」は、10クライアント分を標準添付。PCを起動したまま、OSやアプリケーションを含めたHDDすべてをイメージでバックアップできる。PCのシャットダウン時に自動的にバックアップを開始する機能や、前回のバックアップ以降の変更点を保存していく増分バックアップ機能も備える。

製品背面。WHS2011の仕様制限で、右上のVGAポートと、LANポート2つのうち1つは潰してあるカートリッジ式HDDの交換

 WHS2011の機能として、WHS2011専用管理コンソール「ダッシュボード」で共有フォルダの作成やユーザー管理ができる。また、リモートWebアクセス機能も装備。外出先から、「HDL-Z2WH」を経由してオフィス内のPCにSSL通信を用いたセキュアなリモートログインが可能となる。

 WHS2011はまた、DLNA1.5 Server機能も搭載しており、「HDL-Z2WH」に保存した写真・音楽・動画などのコンテンツをDLNA対応テレビやプレーヤー、DLNA対応のスマートフォンやタブレット端末から再生できる。あらかじめ再生機器に合わせたレートを設定することで、再生時に自動的に再生可能なフォーマットに変換する。アイ・オー・データ機器では、低ビットレートをに設定しておけば、3G回線を使ってスマートフォンから閲覧する際にも、ストレスなく再生できるとしている。なお、DTCP-IP機能は搭載していないため、地デジなどの保護コンテンツの再生には対応していない。

 このほか、アイ・オー・データが開発した専用管理ツール「ZWH manager」もプリインストールされている。「ZWH manager」は冷却ファン回転数や本体温度のモニタリング、メール通知機能を持つほか、ユーザーがバッチ処理などを書いてFuncボタンを押すだけで実行できる機能も備えた。

 CPUにはIntel Atom D510 Dual Core 1.66GHzを採用。2GB RAMを搭載する。HDDはSATA接続のカートリッジ2スロット対応で、うち1スロットは空き。交換用カートリッジはアイ・オー・データ機器の「HDLZ-OPシリーズ」に対応する。インターフェイスはLANポート(RJ-45)×1、USBポート(USB Aコネクター)×5、eSATA×2を装備。サイズは約102×216×150mm(幅×奥行×高)。

 対応OSは、Windows 7(64/32bit)、Windows Vista(64/32bit)、XP SP3(32bit)、Mac OS 10.5~10.6。Mac OSの場合は、英語版のみ利用可能なほか、コネクタの機能のうちバックアップ機能、セキュリティセンター、重要なWindowsサービスなどの監視機能は利用できない。また、Windows OSでリモートデスクトップで利用する場合は、OSはProfessional以上のエディションが必要となる。


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(工藤 ひろえ)

2011/11/18 06:00