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一太郎で電子書籍、ジャストシステムがEPUB3対応の「一太郎2012 承」発表


 株式会社ジャストシステムは8日、最新版の日本語ワープロソフト「一太郎2012 承(しょう)」と日本語入力システム「ATOK 2012 for Windows」を発表した。両製品とも発売日は2012年2月10日。希望小売価格は「一太郎2012 承」が2万1000円、「ATOK 2012 for Windows [ベーシック]」が8400円。対応OSはWindows 7/Vista/XP。

一太郎はEPUB 3.0に対応、電子書籍の公開でパブーと提携

「一太郎2012 承」「ATOK2012」の製品パッケージ

 「一太郎2012 承」では、日本語ドキュメントの編集に便利な機能をまとめ、強化した「ツールパレット」を画面右側に配置。目次や索引、章立て、連番、脚注、ふりがななどを簡単に設定できる「文書編集パレット」、古文や漢文の入力に便利な「文字パレット」、文書作成の目安として役立つ「文字数パレット」などの機能を搭載した。

 また、文書フォーマットとして、電子書籍フォーマットの「EPUB 3.0」形式に対応。縦書きやルビなど、EPUB 3.0で定義された日本語拡張表現をほぼサポートし、作成した文書をEPUB 3.0形式で出力することができる。

 作成した電子書籍の公開については、株式会社Paperboy&co.が運営する電子書籍マーケットプレイス「パブー」と提携。一太郎で作成した電子書籍を、パブーで簡単に公開できるようにする。

 上位版の「一太郎2012 承 プレミアム」(希望小売価格2万6250円)には、グラフィックソフト「花子2012」やメールソフト「Shuriken 2012」、音声読み上げソフト「詠太2」などを同梱。大日本スクリーン製造株式会社の「ヒラギノフォント」も6書体収録し、一太郎だけでなくOpenType対応のソフトで利用できる。さらに、ハンディスキャナーを同梱した最上位版の「一太郎2012 承 スーパープレミアム」(希望小売価格3万4650円)も販売する。

「一太郎2012 承」のメイン画面 画面右側にツールパレットを配置
連番ツールは横書き・縦書きそれぞれのテンプレートを用意 踊り字などを使用する文章の入力に便利な準仮名ツール 返り点などの入力に対応する漢文ツール
EPUB 3.0形式で保存でき、電子書籍の作成にも対応する 作成した電子書籍の公開で「パブー」と提携

ATOKには新語を随時追加する「キーワードExpress」機能を搭載

 「ATOK 2012 for Windows」では、モバイル端末などで推測変換を活用するユーザーが増えていることを受け、新搭載の「ASエンジン」により推測変換を強化。数文字入力した段階で単語の候補を表示するだけでなく、確定した単語に続くと思われる単語の候補の表示や、誤りを指摘する校正支援機能についても文字入力途中の段階で表示するなど、より少ないキータッチでの入力を実現する。

 また、SNSなど文字ベースでのユーザーコミュニケーションが増えていることを踏まえ、新語への対応を強化。大きなニュースや注目の新商品の名前、公開予定の映画タイトルなど、日々生まれてくる新語をインターネット経由でATOKに自動登録する機能を、「ATOKキーワードExpress」として2012年2月に開始する。自動登録する単語のジャンルは、ユーザーが指定することができる。サービスは当初はWindows版のみで、今後MacやAndroid向けにも提供していく予定。

 製品ラインナップは、通常版の希望小売価格が8400円の「ベーシック」と、1万2600円の「プレミアム」の2種類。「プレミアム」には、変換中の言葉からリアルタイム翻訳が行える「8カ国語Web翻訳 for ATOK」や、「明鏡国語辞典・ジーニアス英和/和英事典 /R.4 for ATOK」などがベーシックに追加される。

新エンジンにより推測変換機能を強化 新語を随時追加する「ATOKキーワードExpress」を開始

ATOKは30周年、日本語にこだわった一太郎で電子書籍の作成も

イメージキャラクターの桐谷美玲さんとジャストシステムの福良社長

 8日に行われた発表会で、ジャストシステム代表取締役社長の福良伴昭氏は、「2012年は、ATOKの前身である『KTIS』の発表から数えて、誕生30周年を迎える」として、「これからの30年も、日本語入力が必要となるあらゆる場面で、様々な提案をしていきたい」とコメントした。

 ジャストシステムコンシューマ事業企画部の大野統己氏は、2011年版の「一太郎2011 創」では「新たなる創生」をコンセプトに製品名にも「創」の文字を入れたが、2012年版では「日本語ドキュメントの伝統的様式の継承、未来のあり方を示す」をコンセプトとして「承」の文字を入れたと説明。日本語固有の表現も可能となったEPUB 3.0に対応するとともに、日本語文書の作成に便利な機能を強化したことで、電子書籍の作成・編集にも一太郎を使ってほしいとアピールした。

 EPUB 3.0への対応を受けて、発表会にはEPUB 3.0の策定に携わった国際大学グローバル・コミュニケーションセンター(GLOCOM)フェローの村田真氏がゲストとして登壇。村田氏は、「EPUB 3.0の仕様が決まり、世界でツールの開発競争が始まっている。日本語の縦書きなどに対応したビューアーもこれから続々と登場すると思うが、作成の面では、ユーザーが慣れ親しんでいるワープロソフトがEPUB 3.0に対応することは、EPUB 3.0の普及にとって極めて有益なものだと考えている」とコメントした。

 電子書籍の公開で提携を行う株式会社Paperboy&co.の取締役副社長である吉田健吾氏も挨拶に立ち、「パブーで最も作品数が多いジャンルは小説で、縦書きやルビといった日本語表現ができるEPUB 3.0には大きな期待がある」とコメント。また、パブーではブログと同様のインターフェイスでEPUBフォーマットの電子書籍が作れるが、EPUB 3.0の縦書き文書などの作成までブラウザー上で対応できるかは未知数だとして、EPUB 3.0対応の電子書籍については「一太郎で作るのが一番いいということになるのでは」と説明。「提携により、EPUB書籍をともに広げていきたい」と語った。

 ジャストシステムでは、新しいイメージキャラクターとして、女優の桐谷美玲さんを起用。8日からウェブムービー「こちらジャストシステム営業部特命課」の公開を中心としたキャンペーンを開始した。


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(三柳 英樹)

2011/12/8 20:37