通信負荷への懸念高まる、GSMAがアプリ開発のガイドライン発表


 世界の携帯電話事業者らで組織される業界団体GSMAは、スマートフォンとそのアプリによりネットワーク負荷が高まることなどを懸念し、アプリ開発者向けのガイドを発表した。

 モバイルアプリは、アプリが通信を利用するためにネットワークに対して制御信号と呼ばれる信号を送る。スマートフォン向けのアプリでは特に、このやりとりがネットワークへの負荷を増大させることが懸念されている。

 GSMAでは、NTTドコモやKT、Verizon Wireless、Vodafone、Orangeなど22の事業者とタスクフォースを設立し、開発者に対してアプリの接続や電力消費、ネットワークの信頼度、セキュリティに関するガイドラインを発表した。「Smarter Apps Challenge」と呼ばれる開発コンペも発表され、今回のガイドラインに則したアプリ開発を積極的に促していく。

 なおNTTドコモでは、度重なる通信関連の不祥事を受けてさまざまな対策を発表している。この中で、「リアルタイム系のアプリ」とされるアプリが制御信号を多く発するとの見解が示され、2月15日に開催されたコンテンツプロバイダー向けのイベントでは、参加する約700社に対して無線通信に配慮したアプリ開発を要請している。今回のGSMAのガイドラインは、この席で発表されたものと同様の内容で、ドコモら“当事者”の働きかけによるものという。

 このほかGSMAは、欧州の通信事業者らとともに、アプリ開発におけるプライバシーに関するガイドラインも発表している。


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(津田 啓夢)

2012/2/28 18:22