Wikipediaで商用広告を見たらマルウェア感染の可能性


 オンライン百科事典「Wikipedia」の運営財団であるWikimedia Foundationは14日、Wikipediaのサイト上で商用広告が表示されたユーザーは、マルウェアに感染している可能性があるとして注意喚起した。

 Wikimedia Foundationは、Wikipediaが広告で運営することはないと説明。これまでにも100万人以上が寄付し、1人あたりの寄付金は平均で30ドルを上回るとしている。Wikipediaは通常、年末に資金集めのための告知を行うが、それ以外で営利目的の広告を目にした場合は、ユーザーのブラウザーがマルウェアに感染している可能性があるとしている。

 実際にWikimedia Foundationは、このマルウェアが“I want this”という名称の拡張機能として、「Google Chrome」にインストールされた事例を確認。この拡張機能は著名なサイトに広告を埋め込むもので、Wikipediaの記事にも広告が表示されていた。同様の事例はInternet ExplorerやFirefoxなどの拡張機能でもあるという。

 対策方法としては、ブラウザーの拡張機能を無効にすることが、原因究明の第一歩になると指摘。しかし、マルウェアがOSの深い部分を変更している可能性もあるため、これだけでは問題解決には至らないとしており、ウイルス対策ソフトでスキャンを行うことを勧めている。

Wikimedia Foundationが確認したマルウェアの事例

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(増田 覚)

2012/5/16 18:36