Facebookプライバシー設定も助言してくれる「ウイルスバスター クラウド」


ウイルスバスターのキャンペーンキャラクターを務める山本美月さん

 トレンドマイクロ株式会社は30日、セキュリティソフト「ウイルスバスター クラウド」のダウンロード版を発売した。パッケージ版は9月7日に発売する。

 1年版の価格は、ダウンロード版が4980円、パッケージ版が5980円。どちらにもMac OS対応の「ウイルスバスター for Mac」が付属し、Windows/Macを問わず1シリアルで3台まで利用できる。対応OSはWindows 8/7/Vista/XPおよびMac OS X 10.5以降。

 昨年発売した「ウイルスバスター2012 クラウド」からの主なアップデートは、1)SNS向けセキュリティ強化、2)Windows 8対応、3)ユーザーインターフェイス(UI)刷新、4)Mac版強化――という4点だ。

 以下、それぞれのポイントを紹介する。

ウイルスバスター2012 クラウドからの主なアップデート

SNS向けセキュリティ機能強化

・Facebookプライバシー設定チェッカー(新機能)

 Facebookのプライバシーに関する10の設定項目をチェックし、プライバシー保護の観点で注意が必要な項目を洗い出し、お勧めの設定をアドバイスしてくれる機能。これにより、ユーザーはFacebookのプライバシー設定を逐一確認することなく、安心してFacebookを楽しめるという。

Facebookプライバシー設定チェッカーの概要

 利用方法としてはFacebookにアクセスした上で、ウイルスバスターのトップ画面もしくはブラウザーのツールバーから同機能を利用すると、注意すべき設定項目がハイライト表示される。ハイライト部分をマウスオーバーすることで、プライバシーを高めるための変更をアドバイスする。

 トレンドマイクロによれば、Facebookプライバシー設定チェッカーの判断基準は、Facebookの初期設定よりも「よりプライバシーを守れる設定」(プロダクトマネージャーの塩田行宏氏)になっているという。

 例えば、Facebookの「つながりの設定」では、「あなたにFacebookメッセージを送信できる人」という項目は「すべてのユーザー」となっているが、ウイルスバスターではこの設定を「友達」にすることでプライバシー保護を強化できるとアドバイスする。「設定ミスや機能の誤解により、意図せずに自身や友達の情報を不特定多数に公開するなどのトラブルを防げる」。

 なお、ユーザー側でFacebookプライバシー設定チェッカーの判断基準の強度を変更することはできない。

ウイルスバスターのトップ画面もしくはブラウザーのツールバーから同機能を利用すると、注意すべき設定項目がハイライト表示される。

・SNSプロテクション(機能強化)

 クリックする前にURLリンクの安全性がわかるよう、SNS上で表示されるURLの安全性を色別に表示する機能。従来のFacebook、Twitter、mixiに加えて、今回より新たにgoogle+、LinkedIn、Pinterestに対応した。

Windows 8対応

・Modern UI(旧称Metro)/デスクトップUIの双方で有効なウェブ対策(新機能)

 10月に発売予定の新OS「Windows 8」でも安心して利用できるようにするため、Modern/デスクトップUIの双方で詐欺サイトや不正プログラムの配布サイトなどをブロックする。

・Windows 8セキュアブート対応(新機能)

 起動時にあらかじめデジタル署名のあるソフトウェアのみ実行するWindows 8の「セキュアブート」に対応した。OS起動前より不正プログラム対策が実行される。

・Modern UI向けアプリ(新機能)

 Modern UI向けアプリとして、世界中の脅威の発生状況を確認できる「トレンドマイクロ セキュリティ脅威マップ(仮称)」、不正サイトをブロックする「セキュアブラウザ(仮称)」、紛失・盗難時の遠隔操作でデータ消去などを行う「デバイスマネジメント(仮称)」の3つのアプリを10月に提供する。

トレンドマイクロ セキュリティ脅威マップ(仮称)のイメージ

ユーザーインターフェイス(UI)刷新

 トップ画面で「ホーム」「コンピュータを守る」「個人情報を守る」「データを守る」「家族を守る」というタグを採用し、直感的にわかりやすい機能分類を行った。また、Facebookプライバシー設定チェッカーとSNSプロテクションの機能を使いやすくするため、トップ画面表示した。

刷新したユーザーインターフェイスの概要

Mac版強化

 Windows版に搭載されているSNSプロテクションを新たに搭載。現在開いているウェブサイトが安全かどうかを示す「Trend ツールバー」も利用できるようになった。

このほかの強化点

・スマートプロテクションネットワーク(機能強化)

 トレンドマイクロ独自のクラウド型セキュリティ技術基盤「SPN」の拡張技術を採用し、従来では検出が難しく、誤検知の懸念も高かった“グレーウェア”(不正プログラムとは断定できないグレーゾーンのプログラム)の侵入を防ぐ。

 検出にあたってはウェブからダウンロードしたファイルを、他のコンピューターでの普及状況や地理・時期を含めた発見情報から評価したコミュニティフィードバックの情報や、クラウド上のホワイトリストを参照する。これにより、パターンファイルに登録されていないグレーウェアの検出精度が向上するという。


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(増田 覚)

2012/8/30 16:52