niconico「0」に“毛”が生えた新バージョン「Q」、ヱヴァ新劇場版コラボも

　株式会社ドワンゴと株式会社ニワンゴは17日、両社が運営する動画サービス「niconico」の新バージョン「Q」の提供を開始した。あわせて、11月17日に公開する「ヱヴァンゲリヲン新劇場版：Q」とのコラボレーション企画として、niconicoのサイトデザインに「ヱヴァンゲリヲン MODE」を追加した。

ネルフの制服のコスプレで発表会に出席したドワンゴの夏野氏（左）と川上氏

●「ニコニコ動画：Q」では動画視聴ページを軽量化

　niconicoは2012年5月に前バージョン「Zero」を公開したばかり。ドワンゴ会長の川上量生氏は、今回の新バージョン「Q」について、文字通り「Zero（0）」に“毛”が生えた程度と指摘する。「ほんのちょっと戻して、ニコニコ文化を壊さない新しいZeroを作る」。

　具体的には、「ニコニコ動画：Q」で動作を軽量化した新視聴画面「Qwatch」を提供し、動作スピードを向上させたほか、ブラウザーの視聴環境に合わせて任意で画面サイズ（大／中画面）を選択できるようになった。

新視聴画面「Qwatch」

　また、PCやスマートフォンなど視聴する端末に関係なく、ニコニコ動画の視聴履歴がアカウントで共通となった。「クラウド時代では当たり前の機能。今さらかい（笑）」（ドワンゴ取締役の夏野剛氏）。

　「ニコニコ生放送：Q」はトップページを刷新し、番組アイコンを「放送中」「放送予定」「放送終了」別に表示することで、より生放送番組を探しやすくした。ユーザーがタイムシフト予約・視聴した番組をリアルタイムで通知する機能も追加した。

　これまでは8日間単位でランダムに番組を表示していた番組表もリニューアルし、月ごとのカレンダー表示に対応。日付をクリックするとその日の番組一覧が拡大表示され、おすすめ番組が探しやすくなったという。「Googleカレンダーをぱくりました」（夏野氏）。

●ヱヴァンゲリヲンとの「無茶苦茶な」コラボ、削除動画や時報もヱヴァに

　「ニコニコ動画：Q」と「ニコニコ生放送：Q」ではヱヴァンゲリヲンをイメージしたデザイン「ヱヴァンゲリヲン MODE」を追加。niconico上の削除動画の声が葛城ミサト（声優は三石琴乃）、時報の声が伊吹マヤ（声優は長沢美樹）になるなど、「無茶苦茶なコラボ」（川上氏）も実現した。

ヱヴァンゲリヲン MODEの総合トップページ	ヱヴァンゲリヲン MODEの動画トップページ

　ニコニコ生放送：Qでは10月25日以降、毎週木曜日21時からヱヴァンゲリヲンTVシリーズを放送することが決定。2013年1月1日・2日にはTVシリーズ全26話を一挙放送する。また、金曜ロードーショーで放送予定の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版：序」「ヱヴァンゲリヲン新劇場版：破」にあわせて、ニコニコ生放送で実況を行う「裏実況」を予定している。特設サイトでは「ヱヴァンゲリオン新劇場版：Q」のニコニコ動画版予告映像も公開中だ。

　niconicoのサービス以外でも、ヱヴァンゲリオンとコラボしたステッカーやマグカップなどを作ったり、全長2メートルのヱヴァンゲリオン初号機と「ニコニコカー」が全国キャラバンを実施する。キャラバンの最終地点である「アジア最大の建造物」（夏野氏）には「謎のヱヴァ神社」が建立される。夏野氏によれば、アジア最大の建造物とは「電波を出しまくっているやつ。普段も混んでいるのに大迷惑」とのことだ。