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米Zyngaが約5分の1の人員削減を発表~デスクトップからモバイルへのシフトに苦戦

 ソーシャルゲーム大手の米Zyngaは3日、従業員の約5分の1の削減を含む過去最大規模となる経費削減計画案を発表した。同時にこの件に関して創業者兼CEOであるMark Pincus氏から従業員宛ての手紙も公開された。

 Zyngaの発表によると、削減されるのは世界各地にいる全従業員の約18%に相当する約520人の従業員で、すべての部署が対象となる。また複数のオフィスも閉鎖されることになったが、具体的な場所については明らかにされていない。Zyngaではこの計画により7000万ドルから8000万ドルの経費削減効果があると見積もっている。

 この人員削減案について創業者兼CEOのMark Pincus氏は「我々の企業カルチャーのあまりにも多くの側面が成長を前提としていたため、誰も今日のような日を迎えることになろうとは考えていなかった」と正直な気持ちを吐露した。このような事態に至った理由としてモバイルへの移行が順調ではなかったことを挙げ、「ウェブの大手ソーシャルゲーム・サービスを構築、提供する際に、以前は大きなアドバンテージであったスケールの大きさが、現在ではモバイル環境とマルチプラットフォーム全体に引き継ぐことを難しくしている」と説明した。

 今後のモバイル分野での戦略については、「モバイルとタッチスクリーンは、ゲームに革命をもたらした。我々はこの機会を捉え、本当にソーシャルなモバイルゲーム、つまり人々に会って、遊んで、つながるための新しい、楽しい方法を提供しなければならない」と社員に呼びかけた。

 ソーシャルゲーム最大手だったZyngaは華々しい注目を集めて2011年12月に株式公開を行い初値11ドルをつけ、2012年3月には最高値の14.69ドルを付けた。しかしその後は業績が悪化し、値下がりを続けていた。今日の取引でZynga株は約12%下落し、終値は2.69ドルだった。

(青木 大我 taiga@scientist.com)