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凸版印刷、電子出版を読みやすくする新書体を開発、まずは本文用明朝体から
(2013/7/2 14:24)
凸版印刷株式会社は1日、電子出版コンテンツを読みやすくするオリジナル新書体を開発し、まずは本文用明朝体を今秋より提供開始すると発表した。さらに2016年春までに本文用ゴシック体や見出し用、欧文文字など、計5書体の提供開始を目指す。
新書体は、凸版印刷のオリジナル書体である「凸版明朝体」「凸版ゴシック体」をもとに開発する。同社のオリジナル書体は1956年に活版印刷用として設計されたもの。「平明単純で誰にでも書けそうな書体を理想とし、それ以前の書体に見られた筆の運びとは一線を画す、ペンで書いたようなモダンなデザインが特長」だという。その後、1969年にはCTS(Computerized Typesetting System)用のビットマップフォントへ移行、1990年にはアウトラインフォント化、2005年にはOpenType化を行うなど、時代の変遷による市場のニーズに応えてきたという。さらに今回、高精細ディスプレイを備えたスマートフォン/タブレット端末の普及など電子端末で文字を読む機会が増えてきたことを受け、あらためて文字の読みやすさについて考え、新書体を開発することにした。
新しい本文用明朝体は、ペンで書いたようなキレのある仮名など、凸版明朝体の特長を最大限に引き出すとともに、電子出版コンテンツの読みやすさを考えて設計する。従来の印刷用書体は、印刷工程による文字の太り(つぶれ)などを想定して細身に設計されていたのに対し、電子端末の表示はこのような文字の太りがないことを考慮。文字の線の太さをデザインし直し、起筆部・終筆部を太くしている。また、日本語の長文を縦組みで表現した場合に最大の読み心地が得られるよう、デザインを改良するとしている。
この新書体は、東京ビッグサイトで7月3日から5日まで開催される「第17回国際電子出版EXPO」の同社ブースで展示し、電子書籍端末「BookLive!Reader Lideo」やタブレット端末に表示するデモを実施する予定。