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楽天Kobo、品ぞろえが当初目標の20万冊超え〜撤退は「あり得ない。ご安心を」

 楽天株式会社は、子会社のカナダKobo Inc.が展開している電子書籍事業について、日本市場における概況を明らかにした。コンテンツ数、コンテンツ販売額、ユーザー数のいずれも好調に推移しているという。

楽天株式会社の田中はる奈氏(ブックス事業副事業長)
楽天株式会社の土屋隆行氏(ブックス・物流サービス開発部eBookサービス開発グループグループマネージャー)

 12日に開催したタブレット端末の新商品「Kobo Arc 7」の記者発表会で、楽天の田中はる奈氏(ブックス事業副事業長)が説明した。日本向けの電子書籍ストア「楽天Kobo」で販売する電子書籍タイトルは、当初の目標として掲げていた20万冊に到達。「電子で買いたい、読みたいという本が不自由なく読めるプラットフォームを実現できた」と語る。

 また、2014年1月の電子書籍コンテンツ販売額は、具体的な金額は公表しなかったが、昨年同月の6倍以上に拡大。また、月間成長率は昨年の20%から現在は30%に上昇しているとした。ユーザー数についても具体的な数字は明らかにしなかったが、同じくこの1年で累計ユーザー数が3倍以上に増加したという。Androidタブレット端末「Kobo Arc 7HD」を昨年末に投入したことや、今年1月にWindows/Macで電子書籍を閲覧できるビューアーアプリ「楽天Kobo デスクトップアプリ」をリリースしたことで、ユーザー獲得がさらに加速したとしている。

ユーザー数の推移

 田中氏は、電子書籍専用端末、タブレット端末、iOS/AndroidアプリなどさまざまなプラットフォームにKoboが対応することの狙いは、「ユーザーが好きな方法で、好きな場所でストレスなく読める状況を作りたい」という「マルチプラットフォーム戦略」にあると説明する。さらにデスクトップビューアーアプリの投入により、そのマルチプラットフォーム戦略が完成したとして、今後はこのプラットフォームを使ってさらにユーザー獲得を進めていく考えだ。また、タブレット端末については、Kobo Arc 7HDに続いて、今回、エントリーモデルとして低価格のKobo Arc 7を投入したことで新たなユーザー層にリーチしていきたいという。

12日に発売した「Kobo Arc 7」の概要

 12日からは、「楽天Koboで読書に革命を。20万冊を手の中に。」とのキャッチフレーズを掲げ、楽天Koboのサービス開始以来、最大級だというプロモーションを展開する。同日夜からテレビCMの放映を開始したほか、電子書籍を始めて購入するユーザーへの500ポイント付与や、期間限定で「ONE PIECE」「進撃の巨人」などの無料お試し版コンテンツの提供などを行う。

 電子書籍市場に関しては先週、ソニーが電子書籍ストア「Reader Store」の北米市場からの撤退を発表。Koboが既存ユーザーの受け皿になることや、「Xperia」ブランドのスマートフォンやタブレットにKoboのAndroid版アプリをプリインストールする方針が示されたばかりだ。今回の記者発表会では報道陣からこの件に言及する質問も出たが、田中氏は、これらの発表内容はあくまでも北米市場を対象としたものだと説明した。

 一方、Kobo自身の市場撤退の可能性については、「明確に申し上げたいが、Koboが撤退するということはあり得ないと思っている。そこはご安心いただければ。我々は日本においてもグローバルにおいてもマーケットリーダーだと思っている」とコメント。楽天ではかつて電子書籍サービス「Raboo」を打ち切った過去があるが、田中氏は「いろいろユーザーに迷惑をかけた経緯もある。今回、絶対にそういうことがないようにきちんとサービスとして責任を果たしていきたいと思っている。ほかのサービスが撤退した時も、電子書籍マーケット全体を盛り上げるために、我々ができることをきちんとしていこうということは内部でも話している」とした。

(永沢 茂)