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アドビ、デジタルペン&定規「Adobe Ink」「Adobe Slide」を披露
(2014/6/19 20:49)
アドビシステムズ株式会社は19日、東京・六本木で開催したイベント「Adobe Create Now 2014」で、アドビ初のハードウェア製品として米国で18日に発表したiPad向けのデジタルペン「Adobe Ink」とデジタル定規「Adobe Slide」を披露した。現在、米国限定の出荷となっているが、日本でも年内に出荷予定だという。製品はセットでの販売で、米国での価格は199ドル。
iPadをスケッチブックや製図板のように使えるデジタルペン&定規
イベントでは、Adobe InkとAdobe Slideを使った描画のデモを披露。iPadをスケッチブックや製図板のように利用することができ、「Photoshop CC」や「Illustrator CC」などのデスクトップツールともクラウドストレージで連携できる点をアピールした。
Adobe Inkは、筆圧感知機能を備えたアルミボディのデジタルペン。ペン側面にはボタンがあり、メニューなどを呼び出すことができる。本体にはバッテリーを内蔵し、付属のケースに収納してMicro USBによる充電が行える。
Adobe Slideは、iPadの上に置いて手で押さえると画面にガイド線が表示され、ペンや指で簡単に直線が引けるデジタル定規。定規に沿わせてペンを動かす必要はなく、ガイド線が表示されている状態で画面上で線を引くと、自動的にガイド線の上に線が引かれる。本体にはバッテリーを搭載せず、本体背面の突起をiPadが認識することで定規として利用できる仕組みとなっている。
Adobe InkとAdobe Slideに対応したiPad向けアプリとしては、スケッチ用のアプリ「Adobe Sketch」と、精密描画や製図用のアプリ「Adobe Line」が公開されている。アプリは無料で、既に日本でもダウンロード可能となっている。
Adobe Sketchは、鉛筆や筆、マーカーといった筆先を選び、スケッチブックに自由に描画するスタイルのアプリ。描画の手順はすべて記録されており、2本の指で左右にスワイプすることでアンドゥ/リドゥが可能。
Adobe Lineは、デジタル定規のAdobe Slideを利用して、遠近法を使用した図面の描画などが簡単に行えるアプリ。パースペクティブを指定すると、定規のガイド線もそれに沿った形で表示され、正確な図面が作成できる。
定規によるガイドは直線だけでなく、円や三角形、雲型定規、椅子や人物といった登録済みの図形などに変更可能で、各種図形を描く際のガイドとしても利用可能。ハードウェアの定規だけでなく、画面上に仮想の定規を表示する「ソフトウェア定規」機能も備える。
「Photoshop CC」など14のデスクトップ向けツールもアップデート
イベントでは、「Photoshop CC」などのデスクトップ向けクリエイティブソフトについても、最新版の機能などを紹介するデモが披露された。米国時間6月18日に、「Photoshop CC」「Illustrator CC」「Dreamweaver CC」「Premiere Pro CC」など14のツールについて、2014年版の新バージョンへのアップデートが発表され、既にユーザーへの提供が開始されている。
Photoshop CCでは、写真中でフォーカスが合っている部分のみを選択する焦点領域機能や、写真に動きの感覚を生み出すモーション効果のぼかしギャラリー、3Dモデルを簡単に扱える機能などを追加した。
モバイル向けアプリでは、iPad向けの新たなアプリ「Photoshop Mix」の提供を開始。範囲の自動選択機能を使った画像の合成やマスキング、クラウドベースのエフェクトなどをiPadから利用できる。非破壊的な写真補正や選択、画像を切り取って合成する機能、PSDファイルを開いて保存できる機能などを備え、デスクトップのPhotoshop CCと連携した作業も実現できる。
画像の管理や編集を行うアプリ「Lightroom mobile」については、これまでのiPad向けアプリに加え、iPhone向けアプリの提供を開始した。
また、アドビでは写真家向けの新たなプランとして、Photoshop CCと写真管理ソフト「Lightroom 5」が使える月額980円の「Creative Cloudフォトグラフィプラン」を発表した。