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Microsoft、Skype-Lync間のビデオ通話機能を開始、まずはSkype Windows版から

 米Microsoftは5日、SkypeとLync間のビデオ通話機能のロールアウトを開始したと発表した。「Skype for Windows」の最新版クライアント、Lyncクライアントの最新版で利用可能だ。

 Microsoftは2013年2月にSkype-Lync間の連携計画を発表。2013年5月にはSkype-Lync間で音声通話、インスタントメッセージング、連絡先の統合、オンラインステータス機能が利用可能となった。ビデオ通話は2014年中ごろの予定だったが、年末までずれ込んだことになる。

 また、Microsoftは2014年11月、Lyncの次期バージョンを「Skype for Business」ブランドで提供していくことを発表しており、企業、コンシューマーともにSkypeブランドに統一する。

 SkypeとLyncの統合には、単に通話ができるだけでなく、その裏側でさまざまな機能の統合が必要だったことが説明された。これには、TLSやSRTPを使用したエンタープライズクラスのメディアと信号の暗号化、STUNやTURN、ICEを使用した個人や企業ファイアウォールの標準的トラバーサル接続、業界標準のH.264 SVCコーデックを使用した高品質でスケーラブルなビデオ、Skype-Lync間通話のデフォルトオプションとしてSILKオーディオコーデックを使用することなどが含まれている。

 Skype-Lync間ビデオ通話は、まずSkype for Windowsのデスクトップ向け最新版で利用可能となる。Lync側ではLync OnlineとLync Server2013で機能を利用できるようにする必要があるほか、Lync 2013クライアント最新版を利用する必要がある。

 その他のSkypeクライアントについては、「我々は今後数カ月間にAndroidとiOSを皮切りに、他のプラットフォーム上のSkypeクライアントへとサポートを拡張していく」と説明している。Skypeでの利用にはMicrosoftアカウントへのサインインも必要となる。

 ここでSkypeが対応しているMac OS XやLinuxについてのサポートは明記していない。Lyncはリリース2013でWindows/iOS/Androidに対応、Mac版はリリース2011で対応している一方で、Linux版は提供していないが、そのこととの関連は不明だ。

 今後の計画について、Skype IDをサポートするほか、Skypeディレクトリにおける連絡先検索・追加をしやすくするとしている。これはLync次期バージョンである「Skype for Business」が2015年前半に公開される時期に合わせて行われるという。

 この発表に関連して、Skype for Windowsデスクトップ版の公開当初、ダウンロードに使用したブラウザーによっては、最新版でない場合があったとしている。新機能の利用に必要なバージョン番号は「7.0.x.100」で、バージョン番号がこれより低い場合、異なるブラウザーを使用して最新版のSkype for Windowsクライアントをダウンロードするよう案内している。

 なお、このSkype for Windows 7.0は、アップデートに伴いユーザーインターフェイスが改良された。特にタッチスクリーン操作に対応し、チャット履歴のフリップ操作によるスクロール、タッチによる通話などが可能となっている。さらに、多くの情報を表示できるコンパクトビュー、未読メッセージを表示やバランスの取れた配色にするための切り替えメニューも追加されている。

(青木 大我 taiga@scientist.com)