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日本IBMとソフトバンクテレコム、「Watson」を日本で共同展開

 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)とソフトバンクテレコム株式会社は10日、日本での「IBM Watson(以下、Watson)」の開発と市場への導入において、戦略的に提携すると発表した。

 Watsonは、人と同じように情報から学び、経験から学習する“コグニティブ・コンピューティング技術”を商用化したもの。IBM基礎研究所で開発され、2011年には米国のクイズ番組「Jeopardy!」に出場し、勝利したことでも話題となった。

 日本IBMとソフトバンクテレコムによる提携では、Watsonの日本語対応のために教育とトレーニングを協力して行うとともに、新しいWatsonのアプリケーションの開発のために、日本で利用可能なAPIの開発と開発環境の提供を行う。また、国内でコグニティブ・コンピューティングの導入を検討するビジネスパートナーや開発者、起業家、投資家、研究者と、Watsonエコシステムの構築と拡大を行う。

 IBM Watsonグループのシニア・バイスプレジデントのマイク・ローディン氏は、「ソフトバンクテレコムとの提携によって、日本企業は新しいWatsonの能力を使うことができるようになります。私たちは共に、ビジネスパートナー、起業家、開発者、その他企業を含めて充実したエコシステムを構築し、Watsonを搭載したまったく新しい数々のアプリケーションを設計し、Watsonを日本全国のお客様へより早くお届けいたします」とコメントしている。

 ソフトバンクテレコムの代表取締役副社長兼COOの宮内謙氏は、「日本IBMとの戦略的提携により、ソフトバンクテレコムが日本語対応のWatsonの開発と日本市場への導入を共同で推進できることをうれしく思います。自然言語を理解し、膨大なデータの中から最適な解を導くWatsonのテクノロジーは、ソフトバンクグループの経営理念である『情報革命で人々を幸せに』との親和性が高く、エンタープライズからコンシューマーまで様々な分野で利活用され、人々に新しい価値をもたらすものと確信しています」とコメントしている。

(三柳 英樹)