ソーシャルブラウザーFlockがMozillaからChromiumに乗り換え


 ソーシャルWebブラウザーFlockは16日、「Flock 3」ベータ版を公開した。Windows 7/Vista/XPに対応した英語版のみの提供となる。

 この新ベータ版はこれまでと大きく異なるユーザーインターフェイスに生まれ変わっている。また、Firefoxを基盤としていた前バージョンと異なり、Google ChromeのベースとなっているChromiumオープンソースプラットホームを採用したことも大きな特徴だ。

 Flockは、Facebook、Twitter、YouTube、Flickr、RSSフィードなどのさまざまなソーシャルサービスを、ブラウザーと一緒にシンプルに扱えるようにすることを目的としている。これまではMozillaのオープンソースとなっているコードベースに独自の機能を加えてきた。今回採用したChromiumは、オープンソースで自由にコードを追加、改変できるだけでなく、Mozillaよりも高速だったことが採用の理由となったという。

 機能の変更も行われている。Flockプロジェクトが始まった頃は、ソーシャルネットワークは一部の先進的なユーザーが使用していたに過ぎない、ニッチなサービスだった。しかし、現在では一般的なネットユーザーのほとんどが利用するようになっている。そのためFlockでは、「テレビのチャンネルを切り換える」ように簡単に使用できるようにしたという。

 ユーザーインターフェイスを見ると、ブラウザーの右側にはフィードが流れるようになっており、いつでも最新の情報を閲覧できる。

 また、さまざまなソーシャルネットワークの友人やニュースフィードを「Groups」に分ける機能を備える。具体的には、学生時代の友人のグループ、仕事の同僚のグループ、スポーツニュースのグループ等に分けておくといった使い方が可能だ。これらのグループを切り換え、画面右側のフィードに流しておくことで、いつでも最新の情報を閲覧できる。

 また、TwitterやFacebookには、ワンクリックで投稿、返信、リツイートできるようになっている。

 Chromiumベースになったことから、起動や表示などの動作が速くなったほか、エクステンションをインストールし、機能を拡張することもできる。また、ウェブ検索サービスの初期設定はGoogleのサイトが設定されている。

 今回、MozillaプラットホームからChromiumに乗り換えるにあたり、Flock開発チームではMozillaに感謝の気持ちを述べている。コメントの中で「もしMozilla.orgが事前に存在していなかったなら、Chromium.orgも存在しなかったと信じている」とコメントし、「これは自然な進化なのだ」と説明している。

 Flock3ベータ版は現在英語版しか提供されていない。しかし前バージョンでは、日本語を含む31か国語に対応していることから、各国語対応も期待していいだろう。またFlock 3のMac版については、今年夏頃の公開を予定していることが明らかにされた。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2010/6/17 11:40