リクルートがクーポン共同購入サイトに参入、「ポンパレード」開始へ


ポンパレードのトップページ(7月21日オープン)

 リクルートは、人気ホテルの割り引きチケットや有名飲食店の特別商品などを格安で利用できる割引クーポンを日替わりで提供するサイト「pomparade(ポンパレード)」を7月21日に公開する。一定の制限時間内に規定の購入者数が集まると、クーポンの販売が成立する仕組み。まずは関東近郊を対象にサービスを展開し、順次全国に拡大する。

 割り引きクーポンの対象は、レジャー施設やグルメ、レッスン、エステ、ヘアサロン、ホテルなど。クーポンの販売期間は24時間から3日。サービス開始当初は、東京、神奈川、埼玉、千葉の各都市につき、1社のクーポンのみを掲載する。将来的には川崎や横浜など、さらに地域ごとに絞ったクーポンを掲載していく考え。

 購入希望者はポンパレードにクレジットカード情報を登録しておき、販売が成立した場合に決済が完了する。購入者は、購入後に届くメールに記載されたURLをクリックして専用ページにアクセスし、クーポンを印刷して店舗に持参する。今後は、ケータイ向けのクーポン配信も検討する。販売成立時にリクルートが店舗から受け取る手数料は20%前後。

 リクルートの出木場久征氏(カスタマーアクションプラットフォーム室室長)によれば、クーポンには「麻布の高級フランス料理コースが100人で50%オフ」「六本木のセレブ御用達ホテルが80人で40%オフ」「芸能人おすすめの表参道エステが200人で60%オフ」といったものがあり、「新しい体験やプチ贅沢をもたらす商品」を提供するという。

 なお、ポンパレードという名称は、「クー『ポン』がどんどん集まって、『パレード』するようなイメージ」(出木場氏)をもとに付けたという。

参入相次ぐGroupon系サービス、リクルートは営業企画力と集客力で勝負

リクルートの出木場久征氏(カスタマーアクションプラットフォーム室室長)

 ソーシャルメディアと連携し、時間を限定して商品を提供するクーポン共同販売サイトの手法は、「フラッシュマーケティング」と呼ばれている。米国では2008年に創業したGrouponが最大手で、2009年の推定売上高は315億ドル、月間推定利益は400万ドルに上るとも伝えられている。

 こうした動きを受けて日本でも、ピクメディア株式会社が2010年4月にスタートした「Piku」を皮切りに、この数カ月間で“Groupon系サービス”に参入する企業が相次いでいる。これに対してリクルートは、営業スタッフを全国に配置している強みを生かし、同社の既存顧客を中心にポンパレードを提案していく考え。

 ユーザーの集客については、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアを活用して認知拡大を図る。また、「じゃらん」「Hot Pepper」「ケイコとマナブ」といったリクルートのサイトから誘導したり、数百万人規模に上るというメールマガジン会員に告知するなど、既存サイトとの相乗効果も狙う。

 「営業活動で競合とバッティングすることも考えられるが、我々は企画力を重視した提案で勝負する。例えば、居酒屋でも単に『飲み放題3000円』というだけでなく、『3500円で果実酒も含む』というクーポンであれば、女性客が増えてお店の雰囲気が変わる。そのようなアイデア勝負をやっていければよいと考えている。」

 リクルートはサイト公開を記念して、Twitter上で「あなたが行ってみたいプチ贅沢なお店・場所」または「やってみたい、プチ贅沢な特別な体験」を、ハッシュタグ「#pomparade」とともにツイートしたユーザーを対象に、抽選で商品券をプレゼントするキャンペーンを開催する。期間は15日16時から21日20時まで。


関連情報

(増田 覚)

2010/7/15 18:23