検索オプション活用してスーパーサーチャーになろう?! Googleの専門家が解説


 グーグル株式会社は21日、ウェブ検索についての勉強会を同社オフィスで開催した。米国・マウンテンビューの本社から来日したリサーチャーのダン・ラッセル氏が、Google検索をより快適にするためのテクニックや、日本における検索動向を解説した。

日本語特有の検索事情~魚、サカナ、さかなで異なる結果

米Googleでユーザーエクスペリエンスリサーチャーを務めるダン・ラッセル氏

 ラッセル氏は、出席した報道関係者ら約10名の聴講者を前にして「すでにGoogleをお使いいただいている方ばかりだと思うが、さらにもう少しのコツを覚えれば検索がより便利になり、“スーパーサーチャー”になることができるはず」と挨拶。シンプルさを旨とするGoogleではあるが、検索オプションなどにもぜひ目を向けて欲しいと語った。

 ラッセル氏は日本語特有の注意点として、1つの語を漢字・カタカナ・ひらがなのどれで検索するかによって結果が微妙に異なる点を指摘。何を知りたいかしっかり見定めた上で、検索しはじめるべきだと説明した。

 また、日本や中国をはじめとしたアジア圏の言語は、キーボードでのアルファベット入力から当該言語への変換を行わなければならないため、英語と比較して文字が入力しにくいという事情もある。その影響もあってか、日本ユーザーを対象にした調査では、ある一定の検索結果が表示されると、メニュー上の階層指定にしたがって、マウス操作などでドリルダウン(ここでは検索結果の絞り込みの意味)していく傾向が強いという。これを受け、日本版のGoogleマップではインターフェイスを改良、キーワード入力後に地方・県・市町村・近隣の絞り込みがマウスで行えるようにした。

 一方、ウェブブラウザー上でのページ検索は、意外にも知られていない機能だという。Windowsではブラウザー操作時に「Ctrl+F」、Macでも「command+F」を押すと即座に検索フォームが立ち上がる。しかし、米国で約2200人を対象にフィールドテストしたところ、約9割がその機能自体を知らないという結果が出た。教師を対象にしたテストでも約半数が知らなかったという。ラッセル氏は「この機能を説明したところ、検索時間は平均12%短縮された」としており、日本においてもまずは学んでおくべきテクニックだと述べた。


漢字、カタカナ、ひらがなのどれで検索するかによって、結果が異なってくる英語と比較した場合、日本語の入力は面倒。そのため、マウスからもドリルダウン検索できるようにした

「タイムライン」「最新」「リアルタイム」を活用しよう!

 続いてラッセル氏は、Googleにおける検索のテクニックを紹介した。いずれも検索結果画面左ペインに表示された「ツール」から選択できるが、最初に取り上げたのが「タイムライン」だ。これを選択すると、検索結果を年代別で並べられる。ウェブページに表示された日付情報をもとにしているので、100年以上前の歴史的な事象を調べるのにも便利。該当件数を示す年代別棒グラフをクリックすれば、当該年のデータをドリルダウン検索することも可能だ。

 似た機能として「Google Insights for Search」がある。これは専用サイトから利用できる機能だが、検索キーワードを指定すると、過去数年間の人気度を折れ線グラフで表示してくれる。さらに地域や、詳細な期間を検索条件に加えられるため、例えば「2010年に愛知県で人気のあったキーワードのランキング」などが手軽に調べられる。

 このほか、通常の検索結果画面から使えるツールには「最新」がある。クリックすれば、約3分以内に公開されたページのみを絞り込み表示する。「リアルタイム」も、Twitterをはじめとしたスピード重視型メディアだけを検索できる。いずれも、天災や大事故、あるいは政変といった社会的注目事の動向を把握するのに役立つ。また「#」(ハッシュタグ)をキーワード入力して「リアルタイム」で絞り込む方法も有効という。


検索結果表示画面から選べる「タイムライン」「リアルタイム」は、大事件などの一報を知るのに役立つ

キーワードの前に「+」や「intext:」を付けると……?

 キーワードとともに入力することで検索結果をコントロールするための特殊文字列もある。これらを応用すると、計算式を入力して電卓代わりに使えたり、為替レートの計算、単位変換(メートルとマイルなど)などができることは比較的有名だ。

 その1つ「+」は、入力キーワードとよく似た別のキーワードの候補表示を禁止するためのオプション。「joiker music」と入力した場合、似た言葉である「joker music」について書かれたページも検索結果にリストアップされるが、キーワード先頭に「+」を付けると、これが抑制される。また、「intext:」の後ろにキーワードを入力すると、目的語が具体的に記述されたページのみ表示される。

 これらのオプションは、キーワード以外の検索にも応用できる。検索結果を指定日時ごとにメール送信してくれる「Google アラート」にも適用可能だ。同様に、画像検索で「キーワード site:jp」と指定すれば、日本で公開されている関連画像だけを、「site:nasa.gov」であれば米NASAのサイト内の画像のみ表示してくれる。

 ラッセル氏はこれらのテクニックを解説後、「検索のコツは、まずシンプルに考えること。複雑に考えすぎるのは良くなく、学生たちに説明するときは『目的のトピックについてもし本を書くとしたら、どんな言葉を使うか考えよう』とアドバイスしている」と発言。その上で、Googleを便利にする個別のテクニックについて、その存在を知っておくこと自体が重要だという。

 また、Googleのインターフェイスについても、随時改善していく。「ここ1年でも約2000種類をテストし、568種類を実際に反映させた。Googleはこれからも変わり続けていく」とラッセル氏はアピール。今回のような“検索技術教育”についても積極的に行っていく計画で、日本でも窓口を設け、おもに教育関係者向けセミナーなどに説明員を派遣する意向だ。


キーワードの前に「intext:」を付けると、そのキーワードが記述されたページのみ、リストアップされるラッセル氏が紹介したもう1つの便利オプション「diagram」。部位の名称説明付き画像のみを表示してくれる。「自転車の写真に写っている、ある部品の名前を知りたい時などに便利」という

関連情報


(森田 秀一)

2011/1/21 20:39