録画補償金訴訟、東芝が知財高裁でもSARVHに勝訴


 アナログチューナー非搭載のDVDレコーダー(デジタル専用録画機)における私的録画補償金をめぐって、私的録画補償金管理協会(SARVH)が販売元の東芝を相手取って起こした訴訟の控訴審判決が22日、知的財産高等裁判所であった。2010年12月に東京地方裁判所で言い渡された一審判決と同じく、SARVHの請求が棄却され、東芝が勝訴した。

東芝が2009年2月に発売したアナログチューナー非搭載のDVDレコーダー「RD-G503W」

 SARVHは2009年11月、デジタル専用録画機2機種の補償金を納付しなかったとして、東芝を相手取り訴訟を提起。同社が2008年10月から2009年3月までに販売した2機種に関する補償金相当額の約1億4600万円の支払いを求めていた。

 知財高裁の判決では、一審で否定された「デジタル専用録画機は課金の対象外」という東芝の主張も認められた。

 補償金制度は、デジタル録音・録画による複製によって権利者が被る経済的不利益を補償するために、機器や媒体などに一定の割合で補償金を課し、著作権者に還元する制度。メーカーが対象機器・媒体の価格に補償金を上乗せして販売し、消費者から徴収する仕組み。

 今回争点となっているデジタル専用録画機ついては、補償金の対象とするかどうかで意見が対立。SARVH側は課金の必要性を訴えていたが、東芝側は「ダビング10」などの著作権保護技術によりコピーがコントロールされていることから、補償金制度の対象外であると主張していた。


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(増田 覚)

2011/12/22 18:43