ジャストシステム、MS Office互換性をより高めた「JUST Office」新版

Word互換の「JUST Note」を同梱


JUST Note画面
JUST Calc画面
JUST Slide画面

 株式会社ジャストシステムは12日、法人向けオフィス統合ソフト「JUST Office」新版を発表した。新たにWord互換の新ワープロソフト「JUST Note」を投入し、ラインアップ勢ぞろい。Microsoft Office(以下、MS Office)との互換性を一層高めている。

 JUST Officeは、表計算ソフト「JUST Calc」、プレゼンソフト「JUST Slide」、ワープロソフト「JUST Note」、日本語入力システム「ATOK Pro for Windows」、ライセンス管理ツール「JUST AppDesk」、PDFソフト「JUST PDF 2 [作成・編集]」、エコ印刷ツール「JUST InkCutter」、日本語ワープロソフト「一太郎Pro」、統合グラフィックソフト「花子2012」、メールソフト「Shuriken 2012 CE」で構成されるスイート製品。

 新版では、以前より告知されていたJUST Noteを初同梱した。同ソフトはWordと高い互換性を実現したのが特長で、リボン・インターフェイスを採用する以前のMS Office 2003と似たUIを採用。「MS Office 2007からリボン・インターフェイスが採用されたが、UIの大きな変更が移行のネックになる場合も多い。そこでMS Office 2003との互換性を重視した」としている。

 拡張子は「.doc」が標準形式。他社のMS Office互換ソフトは独自形式から別途MS Office形式へ変換する手間が生じるが、最初から「.doc」形式のJUST Noteでは変換による不具合も出にくいという。Office互換パックを利用すれば「.docx」の読込/保存にも対応。オープンソースで採用されているODF(OpenDocument Format)形式での保存にも対応する。

 もう1つ、MS Officeと同じ和文フォント11書体/欧文フォント26書体を標準搭載したのも特徴。他社のMS Office互換ソフトでは和文フォントのみの場合が多く、和文・欧文ともに互換性を確保したのは「JUST Noteが唯一」(同社)という。

 MS Officeでは、和文フォントは「MS明朝」を、欧文フォントは「Century」をデフォルトとする。MS明朝はOS標準のフォントだが、Centuryは独自のフォントなので、Centuryで書かれた文書を扱う場合、MS Officeとフォント互換性がないソフトではレイアウトが崩れてしまう。MS Officeの欧文フォント26書体を搭載するJUST Noteでは、その心配がないというわけだ。

 JUST Calcでは、高速化(読込・保存、計算、数式、メモリ使用など)、オートシェイプ、ふりがな、ブック間のシートコピー、グラフシート、ハイパーリンク、入力規則、ピボットテーブル互換強化、関数追加、ODF対応などを図った。特にふりがなは地味でもニーズの高い機能とのことで、他社製品との差別化要因になるという。

 このふりがなを実現する「PHONETIC」関数をはじめ、Excel 2003関数の約8割をカバーしているのが、JUST Calcの特徴だ。

 MS Office互換ソフトが出そろったことで、JUST Office新ライセンスも投入する。従来は、JUST PDF 2[作成・編集]、JUST InkCutter、一太郎Pro、花子2012、Shuriken 2012 CEも含めた「JUST Office」、官公庁・自治体向けの「JUST Government」、警察機関向けの「JUST Police」を提供してきたが、これに加え、JUST Calc/Slied/Note、ATOK ProなどのMS Office互換ソフトのみを同梱した「JUST Office [Corporate]」を用意。従来の「JUST Office」は「JUST Office [Standard]」に名称を変え、計4ラインアップとする。

 1ライセンスあたりの価格は、JUST Office [Standard]が2万1000円(税別)、JUST Governmentが2万4000円(同)、JUST Policeが2万6000円(同)のところを、新たなJUST Office [Corporate]では1万8000円(同)と安価に提供する予定だ。なお、JUST Office既存ユーザーには無償でアップデート(JUST Note含む)を提供する。


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(川島 弘之)

2012/1/12 12:00