米司法省がAppleと出版社5社を提訴、電子書籍の価格カルテルの疑いで


 米司法省は11日、電子書籍の価格を不当に引き上げていたとして、米Appleと大手出版社5社を米ニューヨーク南部地区連邦地裁に提訴した。

 提訴されたのは、米AppleとHachette、HarperCollins、Macmillan、Penguin、Simon & Schusterの5社であり、このうちHachette、HarperCollins、Simon & Schusterの3社は即日和解に合意した。米AppleとMacmillanは和解に合意していない。

 司法省の訴えによると、被告企業の最高幹部らは2009年夏頃から電子書籍販売の小売業者らによる価格引き下げを懸念し、小売業者間らの競争によって電子書籍の価格がさらに下落することを恐れて、共同謀議を図ったとしている。司法省は「これによって消費者は、最人気書籍のいくつかに関して、数百万ドルも余分に支払わされた」としている。

 これら企業幹部らは、米Amazonの電子書籍に関する秘密商慣行をお互いに検討し、小売り価格を増加、固定、安定化させるよう図ったという。そして小売り業者から価格決定権を取り戻すための新ビジネスモデルで合意しただけでなく、この謀議に参加していない出版社を処罰することを提案したCEOも1人いることを明らかにしている。

 司法省によると、和解が成立すれば、米Amazonや米Barnes & Nobleなどの小売業者は、電子書籍の価格の自由な引き下げが可能になるとしている。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2012/4/12 11:43