「ワイヤレスジャパン2012」開幕、NTTドコモやKDDIがブースを出展


 モバイル・ワイヤレスの専門展示会「ワイヤレスジャパン2012」が30日、東京・有明の東京ビッグサイトで開幕した。会期は6月1日まで。開場時間は10時から18時まで(最終日は17時まで)。展示会の入場料は無料。

 展示会場は、通信キャリアではNTTドコモとKDDIが出展。夏モデルのスマートフォンなどを紹介するコーナーは昨年よりも規模が縮小され、新技術の参考出展や法人向けソリューションの紹介が中心となっている。端末メーカーの出展も昨年より減少しているが、京セラのブースでは、29日に発表されたウィルコム初のAndroidスマートフォン「DIGNO DUAL WX04K」の実機デモを行なっている。

京セラのブース「DIGNO DUAL WX04K」の実機デモを行なっている

 NTTドコモのブースでは、タブレットのカメラとAR技術を使って、3Dのバーチャル空間上でコミュニケーションできる「3Dライブコミュニケーションシステム」のデモを展示している。単に会話ができるだけでなく、クラウドを通じた音声認識技術も利用して会話中の単語からキーワードを抽出し、キーワードに応じた3DモデルをAR表示するといった技術も盛り込んでいる。

 このほかNTTドコモのブースでは、スマートフォンに向かって話しかけると最適な答えを表示する「しゃべってコンシェル」の体験コーナーや、ディスプレイの表と裏からタッチ操作が行える「透過型両面ディスプレイ」のデモ展示などが行われている。

NTTドコモのブース「3Dライブコミュニケーションシステム」の概要
会話相手やキーワードがタブレット画面に表示される表と裏の両面からタッチ操作が可能な「透過型両面ディスプレイ」

 KDDIのブースでは、3GやWiMAX、Wi-Fiなど異なるネットワークを束ねて安定した通信を実現する「リンクアグリゲーション無線技術」の参考展示として、Android端末上のアプリで3GとWiMAXを同時に利用して高速にダウンロードを行うデモを行なっている。ネットワークを束ねる仕組みはアプリ内に実装されており、まずはこの仕組みを内蔵したブラウザーや動画プレイヤーなどのアプリでの展開が考えられるという。

 同じKDDIブースでは、HTML5をカーナビに使ったデモを参考展示している。WebKitベースのHTML5エンジンを搭載した車載ディスプレイと、スマートフォンを組み合わせたソリューションで、車載ディスプレイとスマートフォンはWi-Fiで接続。ナビゲーションの地図やメニューなどはすべてHTML5で実装されているため、機能の追加やユーザーによるカスタマイズが容易といったメリットがあるという。また、スマートフォン側のアプリにはあらかじめ必要な部分の地図をダウンロードしておける機能などを搭載。車載ディスプレイからはスマートフォン内の電話帳を参照したり、写真や音楽などを再生する機能などを備える。

KDDIのブースリンクアグリゲーション無線技術のデモ。3Gのみの場合(左)と3G+WiMAXの場合(右)でダウンロード時間を比較
HTML5を利用したカーナビとスマートフォンの連携によるデモを展示

 NTT東日本のブースでは、IP電話サービス「ひかり電話」の将来的なイメージとして、スマートフォンを専用アプリにより自宅のひかり電話の子機として利用するという構想を紹介している。

 現在、NTT東日本では「スマホdeひかり電話」というiOS/Android向けアプリを提供しており、自宅の無線LANからはスマートフォンをひかり電話の子機として利用できる。これをさらに外出先でも使えるようにするという構想で、イメージとしては外出先から自宅のフレッツ光のホームゲートウェイを経由して、ひかり電話を使う形になるという。

 外出先からもひかり電話の料金で通話ができ、自宅にかかってきた電話をスマートフォンで受信できるなど、様々なメリットが考えられるサービスだが、NTT東日本では現時点ではまだ構想中のサービスで、具体的な提供予定があるものではないとしている。

スマートフォンをひかり電話の子機として使えるアプリ「スマホdeひかり電話」将来的なイメージとしては外出先でも利用可能に

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(三柳 英樹)

2012/5/30 17:38