ノートン最新版はMS謹製ソフトより「安全かつ快適」、Windows 8向け機能も


 株式会社シマンテックは17日、今秋発売のセキュリティソフト「ノートン」最新版に搭載するいくつかの新機能を発表。最新版では既存のデスクトップ向け機能に加えて、Windows 8のMetroモード向けアプリを提供することを明らかにした。従来では検出できなかったフィッシングに対応するという「詐欺対策インサイト」も投入する。

ノートン最新版の特徴既存のデスクトップ向け機能に加えて、Windows 8のMetroモード向けアプリを提供する

 Metroモード向けアプリはタッチ操作に対応。Windows 8のセキュリティ状況をひと目で把握可能なメイン画面アプリ「Norton Studio」、セキュリティ機能を組み込んだブラウザーアプリ「Norton Private Browser」、他社のクラウドサービスをスキャンするアプリ「Norton Cloud Scan」の3種類を用意する。

Windows 8のセキュリティ状況をひと目で把握可能なメイン画面アプリ「Norton Studio」

 Norton Private Browserでは、複数のID・パスワードを管理する「ノートンIDセーフ」やリンク先サイトの安全性を評価する「ノートンセーフウェブ」を組み込み、安全にウェブサイトを利用できるようにする。Norton Cloud Scanはすでに、Facebookのウォールをスキャンする機能を提供しているが、今後は連携するクラウドサービスを増やす。

複数のID・パスワードを管理する「ノートンIDセーフ」やリンク先サイトの安全性を評価する「ノートンセーフウェブ」を組み込んだ「Norton Private Browser」クラウドサービス上のファイルをスキャンする「Norton Cloud Scan」

 新たなフィッシング対策機能「詐欺対策インサイト」は、既存の対策では保護できなかった“ロングテール”のフィッシング詐欺に対応できるのが特徴という。ロングテールとは、米国以外の金融機関やブランドを騙ったフィッシング、および特定の人物や組織を標的とする「スピアフィッシング」などで、これらの詐欺からの保護を実現するという。

 具体的な方法としては、サイト開設から初めてトラフィックが確認されるまでの「サイト年齢」、サイト上のフォームで初めて個人情報を収集し始めるまでの「フォーム年齢」、ノートン利用者がサイトを訪問した回数、フォームがSSLを使用しているかどうかなど、複数のサイト属性を参照することでフィッシングサイトを検出する。

シマンテックシニアマネージャの吉田一貫氏

 最新版ではさらに、製品名のバージョンを廃止し、製品アップデート後の再起動もなくす。その理由について同社シニアマネージャの吉田一貫氏は、「多くのユーザーは、ソフトをインストールして使うのではなく、ウェブ経由で最新テクノロジーを使うようになってきた。ノートンも『製品』から『サービス』へと位置付けを変えたい」と説明。再起動がなくなることについては、ユーザーが意識せずに最新機能を使えるようになると話した。

 なお、Windows 8にはマルウェア対策ソフト「Windows Defender」が標準搭載される。このことについて吉田氏は、「Windows Defenderは(マイクロソフトが無償提供している)Security Essentialsとほぼ同じもの」と指摘。その上で、第三者機関が実施したテストを見ても、マルウェアの検出率でノートンがWindows Defenderを大きく上回っていると自信を示した。

 さらに吉田氏は自社調査の結果を引き合いに出し、スキャン時間で370%、ファイルのコピー/移動/削除時間でも40%の差があるとして、性能面でもノートンが上回っていると主張。「これまでセキュリティソフトを使っていない人は良いかもしれないが、我々としてはWindows Defenderよりもノートンを使う方が安全で快適ということを訴求したい」と話した。


関連情報


(増田 覚)

2012/7/17 18:10