ニュース

米Yahoo!、「Flickr」iOSアプリを1年ぶりにアップデート

 米Yahoo!は12日、写真共有サービス「Flickr」のiOSアプリをアップデートし、ウェブサイトのユーザーインターフェイスも改良したことを発表した。

 米Yahoo!は11日に「Yahoo! Mail」のリニューアルを発表しており、2日続けて同社の最重要製品のアップデートを発表したことになる。

 同社のMarissa Mayer CEOはモバイル重視戦略を発表しており、その手腕が問われる中で、Yahoo!が復権できるかに注目が集まっている。その意味で新Flickrがユーザーにどのように評価されるかが注目される。

 新iOSアプリはiPhone/iPod touchに対応し、App Storeから無料でダウンロードできる。10カ国語に対応しているが、残念ながら日本語には対応していない。

 Flickrはの高い写真が共有されているものの、近年、FacebookやInstagramなど他のサービスの利用者が増えるに連れて存在感が薄れていた。それでも今回の発表によると、Flickrには「80億枚以上」の写真が共有されているという。

 今年1月にはFlickrを大幅に改良すると発表されたが、利用者が急速にモバイルにシフトしていく中で、iOSアプリのアップデートは実に1年にもわたって放置されていた。

 新iOSアプリは、タブを利用するユーザーインターフェイスなど、Instagramから影響を受けていることをうかがわせている。タブでは、コンタクト、Flickrグループ、ExploreなどFlickrの機能を素早く切り替えることができるため、自分の友人やコミュニティ、最新の興味深い写真を簡単にチェックできる。アップデートされた写真のダブルタップでお気に入り登録も可能だ。

 写真を美しく表示できることも特徴の1つだ。共有された写真も美しく表示するために、パートナー企業とも協力したとしている。また、Flickrに保存された写真を表示する際に最大限のピクセルを利用するため、ピンチズームしてもフルスクリーン表示しても美しく表示できるようにアプリで工夫されているという。16種類のカメラフィルターも利用できるようになった。フィルターはAviaryが提供している。

 アプリへのログインはYahoo!、Facebook、Googleの3種類のアカウントを利用でき、共有に関してはFacebook、Twitter、Tumblr、メールがサポートされている。

 新アプリは、動作が素早く完成度が高いとの評判が現時点では見受けられるようだ。多くのユーザーによる評価は今後待たれる。特にカメラ好き利用者が多いFlickrに、InstagramやFacebookなどで気軽に写真共有を行ってきたユーザーを取り込めるかどうかが成功の大きな境目になりそうだ。

 ウェブサイトのユーザーインターフェイスも改良され、新ナビゲーションバーとExploreページが改良された。ナビゲーションバーはシンプルになり、必要な機能に簡単にアクセスできるようになったとしている。このナビゲーションバーは数日以内に全ユーザーが利用できるようになるとしている。Exploreページは、24時間以内にアップロードされた写真をきれいなレイアウトで表示し、新たな発見をしやすくしている。

(青木 大我 taiga@scientist.com)