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ひかりTV、4K対応VOD配信を10月27日スタート、商用では国内初
(2014/10/3 18:57)
株式会社NTTぷららは3日、映像配信サービス「ひかりTV」において、4K解像度でのVOD(ビデオ・オン・デマンド)を提供すると発表した。10月27日開始予定で、対応チューナー内蔵テレビがシャープやソニーなどから順次発売される。また、新開発の専用チューナー「ST-4100」と4K対応テレビを組み合わせての視聴も可能。当初は110本程度の作品をラインナップし、一部はひかりTVの「お値うちプラン」「テレビおすすめプラン」の契約で見放題となる。
国内初の商用4K VOD、チューナー内蔵テレビが国内大手メーカーから順次発売
NTTぷららによれば、4K映像を商用サービスとして提供するのは国内初。解像度は3840× 2160ピクセルで、動画圧縮方式にH.265/HEVC、音声圧縮方式はAACを採用。高画質化を図りつつ、配信速度(ビットレート)を30Mbps以下に抑えたという。また、最大60フレーム/秒での配信が可能。
ひかりTVおよび4K VODは光ファイバー網を使った映像サービスのため、視聴にあたっては、NTT東日本の「フレッツ 光ネクスト」やNTT西日本の「フレッツ・光プレミアム」などの回線が必要となる。加えて、ひかりTVの4K VODサービスに対応したチューナー、4K対応テレビも必要となる。
4K VODチューナー内蔵テレビは、シャープ、東芝、ソニー、LG、パナソニックが開発を表明している。10月27日の時点ではシャープの「UD20」「US20」「U20」など、発売済みのシリーズを含む合計7機種で利用可能。東芝の「Z10X」「J10X」、ソニーの「X9500B」シリーズなどは2015年春に対応する予定。
NTTぷららからはセットトップボックス型の4Kサービス対応チューナー「ST-4100」が12月下旬に提供される。当初は月額1944円(予価、税込)でレンタル提供し、来年以降は販売も行う計画。
ST-4100はHDMI 2.0およびHDCP 2.2による映像出力に対応。4K対応テレビとの接続はHDMIケーブル1本で行う。このほか、無線LAN(IEEE 802.11ac対応)やBluetoothをサポート。トリプルチューナー仕様により、放送番組については2チャンネル同時裏録画が可能。本体サイズは250×180×30mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約600g。付属品はマイクおよびタッチセンサー付きリモコンなど。
ソニーが10月18日に発売を予定しているメディアプレーヤー「FMP-X7」では、2015年春にひかりTVの4K VODに対応する予定。
基本料金は変わらず、見放題や作品単位課金も
4K対応コンテンツについては、オリジナル作品29本のほか、NHKやTBS、テレビ東京などが制作したタイトルも含め、110本以上をラインナップする。一例として、10月配信予定の「新TV見仏記 京都・東寺編~4Kで撮っちゃいましたスペシャル~」「陸上自衛隊 富士総合火力演習 4K」などは見放題対象作品のため、ひかりTVの「お値うちプラン」(月額3780円)および「テレビおすすめプラン」(月額2700円)の契約者なら無料で視聴できる。
課金形態はさまざまなバリエーションがあり、12月配信予定の映画「アメイジング・スパイダーマン 2」は756円/72時間の料金がかかる。また、「実験!内村さまぁ~ず GUAMで4Kの可能性をお届けしたい男達!!」は、ひかりTVの契約コースにかかわらず無料で視聴できる。
なお、4K VODの提供にあたって、月額料金の値上げなどは行われていない。視聴環境があれば、従来のプランと料金のまま、VODを視聴できる。
NTTぷららの板東社長ほか、テレビ局の関係者らが記者発表会に参加
4K VODサービスの発表に合わせて3日、NTTぷららでは記者発表会を開催。同社代表取締役社長の板東浩二氏のほか、コンテンツを提供するテレビ局各社、ひかりTVチューナー内蔵テレビのメーカー関係者らが出席した。
NTTぷららの板東氏は、ひかりTVの会員数が9月末に293万人になったことを発表。直近の半年間で約11万人増加するなど、順調ぶりをアピールする一方で、さらなる顧客満足度の向上に向けて、4K商用サービスの開始に至ったと説明する。
4K映像の配信にあたっては、約30Mbpsという広帯域を使用することになるが、インターネットではなくNTTのフレッツ網を通じて配信を行うため、夜などのピーク時間帯でも快適に映像を視聴できるという。
4K対応コンテンツは2014年度末までに200本程度へと増やす。また、料金面について、板東氏は「4Kだからといって、追加料金をいただく形にはしなかった」と説明している。
ひかりTVは映像配信を基軸に、カラオケやゲーム、音楽配信など幅広いジャンルのコンテンツをテレビ向けに提供している。板東氏は「我々の“スマートTVプラットフォーム”に4Kを追加した。今後は、さまざまな企業とアライアンスを組み、一緒になって全力で4kのマーケットを作っていきたい」と、関係者に呼び掛けた。