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「確定申告に会計ソフトを利用する」は3割弱、クラウド会計はソフト利用者の1割にとどまる

弥生がクラウド会計ソフトに関する調査を実施

 弥生株式会社は16日、平成26年分(2015年3月16日期限)の確定申告を行った個人事業主(事業所得)を対象に、クラウド会計ソフトに関する調査を実施し、その結果を発表した。なお弥生では2015年1月に同様の調査をしており、その調査との比較についてもコメントしている。

調査概要
 確定申告後調査確定申告受付前調査
エリア全国全国
調査対象20歳以上 男女20歳以上 男女
対象者条件平成26年分の事業所得の確定申告を行った個人事業者平成26年分の事業所得の確定申告を予定している個人事業者
回収サンプル数16,07412,203
調査期間2015年3月20~23日2015年1月26~27日
調査実施期間楽天リサーチ(株)楽天リサーチ(株)

 それによると、申告方法は「(会計ソフトを)利用していない」が7割強を占め、「(会計ソフトを)利用している」は3割弱にとどまっているとのこと。

平成26年分の確定申告方法

 また、会計ソフト利用者の9割強は「デスクトップアプリケーション」を利用しており、「クラウドアプリケーション」は1割弱にとどまった。1月の調査時と比べると微増になっている。

会計ソフト(デスクトップとクラウド)の利用比率

 クラウド会計ソフトの認知率は「知っている」が4割近く、「知らない」が6割という結果で、クラウド会計ソフトの認知は、前回の調査よりも上昇した。また「知っている」と回答した人に今後の利用意向を聞いてみると、「利用したい」が24.2%、「どちらかといえば利用したい」が32.4%となり、半数以上(合計56.6%)が利用意向ありという結果になっている。前回調査時は利用意向ありの合計が47%だったため、クラウド会計ソフトを使いたい人の割合は増えているという結果になった。

クラウド会計ソフトの認知
クラウド会計ソフトの今後の利用意向 (n=6,195)

 利用しているクラウド会計ソフトのメーカー別では、1位「弥生(29.5%)」、2位「freee(20.7%)」、3位「マネーフォワード(9.1%)」の順で、上位2社が全体の半数を占める結果になった。前回調査時とは順位の変化はないものの、上位2社と3位以降との差に少し開きが見えてきたとのこと。

 次に、デスクトップアプリケーション、クラウドアプリケーションの利用者を業種・年代別で比較すると、業種別ではサービス業がもっとも多い3割前後を占め、デスクトップ/クラウド利用者に大きな差は見られないという。一方で、年代別では、クラウドアプリケーションは若い年代の利用者が多い傾向が見られた。

クラウド会計ソフトの利用メーカー別割合(n=319)
年代別利用状況

 クラウド会計ソフト利用のきっかけについては、「自社で決算・申告を行う(32.0%)」と「業務の効率化(29.5%)」が高く、「帳簿の作成や印刷(18.8%)」、「起業(16.3%)」、「費用の削減(14.4%)」が続いている。

 最後に、現在利用しているクラウド会計ソフト選定理由は、「確定申告の作成が簡単そう(33.9%)」、「無料(29.2%)」、「記帳から確定申告まで全部できる(29.2%)」の上位3つが3割前後を占めた。決め手は「無料(16.3%)」がもっとも高く、次いで「確定申告の作成が簡単そう(10.3%)」となっている。

(石井 一志)