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安倍内閣、サイバーセキュリティ対策で草薙素子氏を起用
(2016/1/21 11:18)
内閣サイバーキュリティセンター(NISC)は、国民に向けた情報セキュリティ普及・啓発のためのキャラクターとして、公安9課(攻殻機動隊)リーダーの草薙素子氏を起用する。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)や特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)とも連携し、同氏の描き下ろしイラストによるポスターなどを制作。2月1日に始まる「サイバーセキュリティ月間」の周知を図る。
NISCでは、2014年7月に取りまとめた「新・情報セキュリティ普及啓発プログラム」において、情報セキュリティ対策の重要性を国民に訴求していく効果的な手法としてコミックなどの親しみやすいメディアとのタイアップを挙げていた。今回、サイバーセキュリティ関連の作品として「王様達のヴァイキング」「BLOODY MONDAY」なども候補に挙がっていたというが、サイバーセキュリティ界隈で今も根強い人気を誇る「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」における草薙氏以外に適任者は考えられないとNISCでは判断した。
「草薙氏は非常に正義感の強い警察官、かつ女性管理職という立場にある。安倍内閣が推進する『すべての女性が輝く社会づくり』の方針にも合致する」というのが、同氏起用の経緯を追求された時のために用意している国会答弁用の表向きの理由。熱心な攻殻好き/草薙ファンのNISC担当官らからのラブコールに対し、日本年金機構への標的型攻撃発覚以来、日本の情報セキュリティについて危機感を抱いていたという講談社・攻殻機動隊製作委員会側が協力を快諾したかたちだ。
ポスターは2つのバージョンを制作し、NISCとIPAがそれぞれ全国の関係機関などに配布・掲出する。情報セキュリティの普及・啓発に協力してもらえる企業・団体・グループにも提供するとしており、ウェブサイト(首相官邸)/メール(IPA)で申し込みを受け付けている(1組織5枚まで)。
IPAが配布するバージョンのポスターは、キャッチコピーが「君、いい腕をしているな。今から私の仲間になれ!」。今年4月から実施される新たな国家資格「情報セキュリティマネジメント試験」への受験者呼び込みなど、不足が指摘されている情報セキュリティ人材の育成・確保につなげたい考えだ。
ポスターのイラスト制作を担当したProduction I.Gの石川光久氏:「『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』には荒巻というキャラクターが語る『スタンドプレーから生じるチームワーク』という非常に印象的なセリフがあります。現在のインターネットセキュリティを取り巻く環境はまさにこのセリフが当てはまる時代となったと感じています。インターネットの急速な普及、加えてここ数年に起こったスマートフォンの急速な普及は、われわれ一人一人にインターネットと向き合う高い意識と正しい知識を要求する時代をもたらしました。個々人が正しい知識を持ちインターネットと対峙(“スタンドプレー”)することにより、総体としての安全なインターネット社会(“結果としてのチームワーク”)が構築できるのです。今回のタイアップイラストをご覧になり、一人でも多くの方がサイバーセキュリティに興味を持っていただければ幸いです。」
このほか、JNSAがタイアップ特設サイトを1月下旬に開設。情報セキュリティ解説を脚注として盛り込んだ、攻殻機動隊のスピンアウト描き下ろしコミック作品をPDFでダウンロード公開する予定。
◇ 2016年「サイバーセキュリティ月間」の実施について(NISC、PDF)
http://www.nisc.go.jp/press/pdf/csm2016_press1.pdf
◇ 『攻殻機動隊』と内閣サイバーセキュリティセンターがタイアップ!(NISC、PDF)
http://www.nisc.go.jp/press/pdf/csm2016_press2.pdf
◇「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」と新国家試験「情報セキュリティマネジメント試験」がコラボ!(IPA)
http://www.jitec.ipa.go.jp/sg_collabo/
◇サイバーセキュリティ月間(JNSA)
http://cybersecurity.jnsa.org/