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■URL
http://www.enc.or.jp/nmrc/houdou08-17.html
http://www.jasrac.or.jp/
社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)と、ネットワーク音楽著作権連絡協議会(NMRC)は、両者間で協議されていた「インターネット上での音楽利用に関する著作物使用料」について、最終的な合意に至ったと発表した。協議は1997年から進められており、2回の期間延長を経て今回ようやく最終的合意に至った。JASRACは、8月4日に文化庁長官に対し認可申請している。
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JASRAC加藤常任理事
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NMRC代表世話人
佐々木隆一氏 |
最終合意では、音楽の有料配信といった商用サービスと、学校や個人などが無料で配信する場合の音楽著作物使用料が定められた。適用されるのは、有料配信が暫定期間が終了する2000年9月30日以降、無料の配信に関しては、周知期間を持たせるために2001年4月1日からを予定している。
使用料率は、私的使用を目的にリクエストに応じて著作物を配信する「インタラクティブ配信」に関するもので、それぞれ「ダウンロード形式」と「ストリーム形式」に分けられて規定されている。有料ダウンロードの場合の使用料は、暫定的に適用された料率(月額使用料が1曲1リクエスト当たりの情報量に7.7%を乗じた額か、7円70銭のいずれか)をそのまま引き継ぐこととなった。また、無料の配信に関する料率については今回初めて定められ、無料配信の場合の基本的な月額使用料は、5円50銭に月間の総リクエスト回数を乗じた額となる(これまでは使用料の徴収はしておらず、料率が決まりしだい利用開始時に遡って徴収するとアナウンスされていた)。なお、料金は年額で納めることも可能で、例えば、個人のサイトで同時に送信可能化する曲数が10曲までの場合、年額10,000円となっている。配信期間が1年に満たない場合は、利用月数に乗じて月額で払うことも可能になるなど「料金体系」が幅広くなっている。また、試聴を目的とした45秒以内の音楽データに関しては、使用料を免除することになった。
今回の合意で注目されるのは、無料で配信する「個人」や「学校」も対象とされたことである。この非商用配信に適用する規定を両団体間で設けたことについては、これまで学校や個人等を代表する団体がなかったことと、「個人利用者の意見に十分配慮すべき」とのNMRCの意見を反映されたことによるという。これにより、例えば個人のホームページで「合法的に」ヒット曲のMIDIデータを鳴らすといったことが可能になる(CD音源などは、別途、著作隣接権者＝レコード会社などの許諾が必要になるため実質無理)。ほかには今回「着メロ」データの使用料率が定められた。これは、携帯電話、PHSなどのための「着信メロディ再生専用データ」に適用されるもので、総再生時間が1曲あたり45秒以内のものは「5円」となっている(ただし、受信した電話機から他の機器への転送/複製が可能なものは除く)。
2年越しの協議の結果ようやく最終合意に至った「インターネット音楽著作物使用料」だが、まだ問題は残っている。日本レコード協会との調整である。日本レコード協会は、当初NMRCに参加する団体の1つとして共同で交渉に当たっていたが、1999年5月に独自にJASRACとの間で使用料に関する協議を進めると発表している。しかし、実際JASRACとの間で協議の場が持たれたのは1999年から2000年8月4日までに3回だけで、内容も「あまりにもNMRCとの協議とは離れており、妥協する余地もなかった」(JASRAC常任理事加藤衛氏)という。JASRACによると日本レコード協会は、CDパッケージと同様の使用料率(6%)を主張しており、「今回の合意内容については理解していただけなかった」(同加藤氏)とのこと。SMEやAVEXなど、すでに日本レコード協会所属のレコード会社が有料の配信を開始しているだけに今後の動向が注目される。ちなみに現在、SMEの有料配信サービス「bitmusic」のFAQページには、JASRACへの支払いについて「料率については日本レコード協会とJASRACとの団体間の話し合いの結果に従います」と記載されている。
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(2000/8/17)
[Reported by okiyama@impress.co.jp]