～動画で授業内容を公開する講義も

米MITが授業の講義録などを無料で公開開始

■URL
http://ocw.mit.edu/index.html

　米マサチューセッツ工科大学（MIT）が以前から発表していた通り、一部授業のシラバス、講義録、ビデオ講義などを無料でインターネットに公開し始めた。

　これらは「Open CourseWare」と呼ばれており、誰でもこの資料を利用して独学したり、あるいは大学がカリキュラム作成する際の参考にすることができる。こうしたことが可能になったのは、MITが高等教育で最も重要なことは講義内容ではなく、優秀な教授陣、学生との切磋琢磨であると判断したからだ。こうしたことから、MITがOpen CourseWareの構想を発表した際、世界に大きな反響を呼び起こしたが、現在は日本国内でもこれに影響を受けた動きも生じつつあるという。

　今回初めて公開されたOpen CourseWareは、まだ正式公開の段階ではなく「パイロットプログラム」としての位置付けで、一部の授業を公開してフィードバックを得ることで、より一層質を高めていきたい考えだ。公開されている科目は経済学、数学、機械工学などごく一部に限られており、すべての講義内容が同じレベルで公開されているわけではない。しかし、例えば数学の線形代数の講義などでは講義内容がすべてReal形式の動画で公開されているため、あたかもMITの授業に出席している感覚で講義を受講でき、学習することが可能となっている。その他にも宿題の内容、詳細な講義録、画像や図面などが数多く公開されている。

　MITでは1年後にOpen CourseWareを正式に公開し、さらに1年をかけて将来的には2,000以上の講義内容をすべて公開する予定だ。

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(2002/10/1)

[Reported by 青木 大我 (taiga@scientist.com)]