【業界動向】
ホットスポットでの従量課金制導入は安あがり?ブロードバンドローミングの米iPass、従量課金制を導入■URL 米iPassは15日、同社が提供しているイーサネットやホットスポットのブロードバンド接続ローミングサービスにおいて、分刻みの従量課金制を導入することを発表した。この新しい料金体系は11月15日をもって発効する。ブロードバンド接続は固定料金体系が一般化しているため、ローミングサービスとはいえ従量課金制を導入したことによる業界への影響が注目される。 iPassは、北米、欧州、アジア太平洋地域などのISPやホットスポットなどと提携し、それぞれの場所にある接続電話番号やホットスポットを記録したクライアントソフト「iPassConnect」を通して、どこにいても手軽にインターネットに接続できるサービスを提供している。こうしたサービスはローミングサービスと呼ばれ、複数のISPに加入しなくてもさまざまな地域ですぐにインターネット接続でき、料金の支払いもまとめて行なえるメリットがある。iPassはこの業界では大手企業であり、日本国内でも営業活動を行なっている。 この決定の理由についてiPassのマーケティング担当副社長Jon Russo氏は「顧客から聞いたことと我々のデータを見ると、ほとんどのブロードバンド接続は一カ所当たり一日一時間以内に収まっている。24時間にインターネットを好きなだけ使ってよいと言われると思わず引き込まれてしまいそうになるが、多くの利用者はこのような料金体系を最大限生かせるような立場にはいない。現在の市場料金体系は著しく高すぎることになる」と説明した。 iPassでは利用状況の一例を上げている。例えば朝ホテルでメールをチェックし、空港ゲートでカレンダーを同期し、2番目のホテルでネットに接続して仕事をするケースを考えた場合、それぞれの場所で24時間分、3カ所で合計72時間分の料金を請求されているものの、実際に使用しているのは3時間でしかない。このことからiPassでは大企業などではたとえヘビーユーザーが何人かいるとしても、大きな目で見れば従量課金制を導入することによるコスト削減の影響は大きいとしている。 現在国内でもホットスポットサービスが普及段階に近づきつつあり、その料金体系について各社が工夫を凝らしているが、今回iPassがブロードバンド接続に従量課金制を導入したことにより、特に空港や駅などのホットスポットに関して料金制度に関する議論が起きる可能性がある。 ◎関連記事 (2002/10/16) [Reported by 青木 大我 (taiga@scientist.com)] |
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