【業界動向】
Webアクセス管理から“最終ディフェンス”までカバー
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左から米WebsenseのStaker氏、ウェブセンス・ジャパンの楠浩一代表取締役
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説明会では米社のワールドワイドセールス担当上級副社長・Curtis H.Staker氏が来日。現在世界に1万7,500以上の顧客企業を持ち、利用従業員数は1,250万人に上る同社の業績は好調で、過去12ヶ月連続で利益をあげているという。Staker氏は「2004年には世界で3億人を超える従業員がインターネットを利用できるようになり、これに伴なってネットの乱用・誤用も増えてくる。オークションサイトやゲームサイトなど、個々のWebアクセスに加えて、ウィルスの脅威やIM(インスタントメッセージ)乱用による生産性低下、ストリーミングによる帯域のムダ使いといった問題も増加する」と指摘。こうしたITリソースの無駄遣いを防いで従業員の生産性を高めるほか、ハッキングや違法ファイル流通といった法的リスクのあるネット悪用を防ぎ、また企業ネットワークのセキュリティを高めるといった狙いで、企業向けEIMソリューションの新版「Websense Enterprise V5」(以下「V5」)が開発されたという。
「V5」では、従来製品で提供していたWebアクセス管理に加え、顧客企業の要望をもとに、5つの機能を新たに追加している。IMやP2Pソフトなど、HTTP以外のプロトコルによるアクセスを制御する「ダイナミックプロトコルマネジメント」、ネットワークがどの従業員によって何に利用されているかが即座に分かる「リアルタイムアナライザー」、従業員がWebからファイルをダウンロードしたり実行する際のファイルタイプによってアクセスを管理できる「ファイルタイプ管理」、大企業やグローバル企業向けに、複数のWebsenseサーバーへポリシーを一斉配信・管理できる「ポリシーの集中管理」、帯域や生産性、法的リスクなどジャンル別のレポートを作成する「クラス別リスクレポート/トレンドレポート」がその内訳だ。
これらに加え、追加モジュールも2点発表している。1つはネットワークの帯域マネージメントを行なう「Bandwith Optimizer」で、トラフィックが少ないときにはストリーミングなどビジネス以外の利用を許可するが、ビジネス利用のトラフィックが増えてきた時点でストリーミングなどを自動的に遮断するといった管理が容易にできるという。もう1つの「Client Application Manager」は、従業員が利用するPC(クライアントマシン)に導入するモジュールで、PCのアプリケーション管理を行なうものだ。インターネット関連アプリに加え、オフラインで利用するアプリケーションも管理可能で、例えばゲーム関連のアプリケーションは昼休みだけ利用可といった設定ができる。Webアクセス管理と同様に、不明なアプリケーションはWebsenseのデータベースに自動的に情報が蓄積・分析され、分析後は新たにポリシーとして配信される。またメールにワームが添付されてきた場合、メールは受信できるがワームの動作はブロックされるため、「ウィルスや悪質なファイルに対する最終ディフェンスラインになる」(Staker氏)という。
米Websenseでは「V5」を2003年第一四半期に発売する予定で、ウェブセンス・ジャパンでは、米市場発売後2~3ヶ月後をメドに日本市場にも投入する方向としている。
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(2002/10/23)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp]