【イベントレポート】
安心・安全に使えるISPのあり方を目指して~JAIPA中村氏講演■URL 24日、ブロードバンドビジネスに焦点をあてたイベント「e-Drive 2002」において、社団法人日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)の中村龍太郎事務局長が、「インターネットサービスプロバイダーのセキュリティ事情」と題した講演を行なった。この講演では、ISPに対してJAIPAと社団法人テレコムサービス協会(テレサ協)が推進している「インターネット接続安全安心マーク」の紹介を行なった。 総務省の数字によれば、日本には1万521社のISPが存在している。中村氏によると、黒字営業を行なっているISPは、その3分の1程度で、「セキュリティーがなおざりになっている可能性が高い」という。例えば、株式会社バガボンドの「自治体・行政府サーバ実態調査結果」によれば、全体の3%が不正中継が可能なサーバーのデータベース「ORBZ」「ORDB」に登録されているほか、Sendmail8.8.8以前のバージョンや、Apache1.2系列、NCSAなどが依然として使われているところもあるという。中村氏は、「機器を導入した後で、予算がつくことが少なく、納入された状態のまま運営されているのではないか」と分析した。 一方、ISPのセキュリティ体制については、「大手だから安心できるとは限らない」という。中村氏によると、大手になればなるほど必要な機器数が増大するのに比べて、ネットワーク管理者の数が足りないところもあるという。反対に、「中小ISPだから安心できないということもない」ともいう。同氏は、「地域に根ざした中小ISPは、ホームドクター的存在として、まめにユーザー対応を行なっているところが多い。ただし、問題がないわけではなく、セキュリティーポリシーが明文化されておらず、担当技術者の頭の中にだけ存在しているケースなどがある」と語った。 このような状況のなかで、JAIPAとテレサ協が推進しているのが、「インターネット接続安全安心マーク」だ。審査方法は、事務局による書類審査(随時受け付け)と、審査委員会による二次審査(年3回)。主に、セキュリティーポリシーの明文化や監査制度の有無、トラブル発生時の対応体制などシステム面に関する項目と、ユーザーに対して契約約款を公表しているか、告知体制の有無、最新のセキュリティ情報などの啓蒙・周知への取り組みなどユーザー対応に関する項目を審査する。JAIPAでは、今後もユーザーが安心、安全に利用できるネットワーク環境の普及に邁進する予定だ。 ◎関連記事 (2002/10/24) [Reported by okada-d@impress.co.jp] |
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