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【ブロードバンド】

北海道滝川市で5.0GHz帯無線アクセスのフィールド実験スタート<その2>

NECと松下通信工業、
最大36Mbpsを実現するFWAシステム

■URL
http://www.hokkaido-bt.go.jp/C/C14/c141008.htm

 総務省北海道総合通信局が北海道滝川市において実施している加入者系無線アクセス(Fixed Wireless Access:FWA)システムのフィールド実験には、NEC、松下通信工業、モトローラが参加。国内で新たに屋外利用が認められた5.030~5.091GHz帯を使ったFWAシステムを提供している。

 このうちNECのシステムは、5.2GHz帯で屋内向けとして実用化されているIEEE 802.11aの屋外周波数対応版。一般モニター18世帯、お隣の新十津川町役場も含めて20台の無線局が導入される。最大伝送速度は36Mbpsで、アクセス制御方式には有線LANと同じCSMA(Carrier Sense Multiple Access)方式を採用。無線子機自体はPCMCIAカード型だが、これに屋外設置用のアンテナをケーブルで接続する必要がある。また、信号の増幅機能を内蔵したブロードバンドルーター大の有線LAN変換ボックスも用意されており、PCにはこれを経由してEthernetで接続するようになっている。なお、ホットスポットなど電波強度が確保できるような利用形態であれば、アンテナも含めてPCMCIAカード型で製品化可能だという。既存のIEEE 802.11a/11b対応無線カードのようにそのままノートPCなどのPCMCIAスロットに挿入して利用できるわけだ。

室内に設置するNECの無線機(左)と、ベランダなどに設置するアンテナ(中)。基地局は正面に見える茶色い建物の壁面にあり、約160度の範囲をカバーする(右)。木の枝に雪が積もると見通しが遮られることもありそうだが‥‥。なお、スピードネットが首都圏で行なっている5.0GHz帯のFWA実験でもIEEE 802.11aに準拠したシステムが採用されている(関連記事)

 一方、松下通信工業の無線局は、一般モニター13世帯を含む16台が導入される。36Mbpsという最大伝送速度や変調方式などはNECのシステムと同等だが、こちらは同じく5.2GHz帯の屋内向けとして実用化されているHiSWANaという国内仕様に準拠。アクセス制御をTDMA(Time Division Multiple Access)方式で行なうことから、映像伝送により適しているのだという。通常は伝送距離が400m程度となっており、市内の幼稚園に設置した基地局で隣接する公営団地のモニター7世帯を収容する。また、無線局同士を1対1で接続するP-P(Point to Point)方式ではさらに5km程度まで延長できるとしており、市役所と約5km離れた小学校の間にもFWA環境が構築される。

松下通信工業の基地局が設置されたみずほ幼稚園(左)。右側の窓の上の壁面に小型のアンテナが取り付けられている(拡大写真)。公営団地のモニター世帯までは、ここから100~300m離れている(右)
アンテナからは換気口を通じて室内の基地局に接続(左)。無線機は、屋外への設置を想定したケースの中に収められている(拡大写真)。遊戯室に設置されたWebカメラ(右)。職員室にはIP電話も導入されていた

 このように2社のシステムはいずれも、すでにFWAの商用サービスとして実用化されている2.4GHz帯よりも伝送速度の面でアドバンテージがあると言える。実際、今回の実験では、道内の民放テレビ局の提供による映像や動画による地域情報の配信が行なわれる。また、学校間を結んだテレビ会議や、幼稚園の遊戯室や小学校の体育館の様子を保護者の自宅から見られるWebカメラを提供するなど、高速回線を利用した映像コンテンツ/アプリケーションの有用性を検証することも大きな目的となっている。

 とはいえ、最大36Mbpsという高速性だけが今回の実験の目玉ではない。広域に世帯が分散している特に北海道のような地域において、ブロードバンド格差を解消するソリューションとしても、5.0GHz帯のFWAは大きな役割を果たしそうだ。その意味で、モトローラのFWAシステムは注目に値するものとなっている。(以下、別記事へ)

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(2002/10/28)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]

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