【業界動向】
パワードコムとTTNet、来年4月に合併へ
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種市パワードコム社長(右)と白石TTNet社長 |
株式会社パワードコムと東京通信ネットワーク株式会社(TTNet)は19日、2003年4月1日を期日に合併すると発表した。新会社の名称は「株式会社パワードコム」となる。
今回の合併の目的は、PNJグループ(電力系新電電グループ)の連携強化にあり、全国にまたがる需要と、自治体などを中心とした地域に密着した需要の双方に対して一元的に対応できる企業となることだ。新会社では、意思決定の迅速化を図るため、取締役を10人程度にスリム化(現行の両社を単純合計すると27人)する。このボードには、新会長となる種市健パワードコム社長、新社長となる白石智TTNet社長のほか、同じく電力系の大阪メディアポート株式会社(OMP)、中部テレコミュニケーション株式会社(CTC)の社長、電力会社の代表、および商社の代表らが参画する予定だ。
新パワードコムの主なサービスとしては、法人向けデータ通信事業、法人および個人向けインターネット事業、中継電話/加入電話サービスのほか、IP電話やIPv6を利用した新サービスも展開する。IP電話サービスでは、法人向けにデータ通信との統合パックの提供、個人向けにADSL・FTTHとの重畳サービス、ISP向けに専用ネットワークのホールセール、IPコンタクトセンター向けに在宅勤務を補助するサービスなどを予定している。なお、IP電話サービスについては、すでにTTNetが2003年3月からのサービス提供を目指して準備中だ。
種市社長は、「PNJグループ各社が連携を強化するために、全国展開できる企業としてパワードコムは生まれた。他のPNJグループとの合併については、まずサービスを提供してから、ユーザーのニーズが合併を求める方向であれば、やぶさかではない」とコメントした。また、白石社長は電話事業に関して、「東京電話はレガシーな電話サービス。パワードコムの持つ光ネットワークを使ったIP電話への展開も十分可能で、大きなポテンシャルを持っている」と語った。
一方、7月に緊急記者会見が開催されたIIJとの合併を視野にいれた経営統合計画については、「検討中」との回答だった。種市社長によると、「IIJは新しいサービスの開発力に優れた企業として高く評価している。一方、パワードコムは新サービスを全国に展開する力を持っている。このメリットが、当面、あるいは将来的にどのように生かせるかを話し合っている最中だ」とのこと。また、白石社長も、「TTNetとしては、IP部門をパワードコムに移管する方向で話し合いを続けていた。この延長線上にIIJとの話があったと認識している」とコメントしている。
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(2002/11/19)
[Reported by okada-d@impress.co.jp]