【業界動向】
米MSNが本格的に欧州ブロードバンド市場に進出~英BTと提携■URL 米MSNと英British Telecom(BT)は26日、BTのブロードバンド接続サービスと「MSN 8」をパッケージとして販売していくマーケティング戦略で合意したことを発表した。これは今年8月にBT GroupとMicrosoftの間で交わされた戦略的提携に関する合意が結実したものである。これによりMicrosoftがMSN 8を通してますます英国に浸透することになるという意味だけでなく、このような提携の形としては欧州で初めてとなるMicrosoftにとって大きな提携となった。 英国を含む欧州では、インターネット接続を提供する企業がポータルサイトを運営する場合が多い。例えば英国で第一位のプロバイダであるFreeserveはポータルサイト「Freeserve.com」を保有しており、同社のブロードバンド利用者に対して独占的にサービスを提供している。このサイトでは、Webメールやオンラインショッピングを提供しており、双方からの売り上げをもとにビジネスを展開するビジネスモデルが定着している。今回、ブロードバンド接続サービスを提供するBTの上で、有料のポータルサービスとしてMSN 8を提供するというビジネスモデルは欧州で初めてのケースとなり、Microsoftは欧州各地のプロバイダーにこうした提携関係を求めていく考えだ。 このサービスを利用する顧客は、毎月MSN 8の利用料を支払い、その代わりにスパムや有害コンテンツフィルタリング、MSN用にカスタマイズされたブラウザーやメールソフトなどを利用する。また、ブロードバンド接続により、MSN8の提供する「Encarta」や「PhotoPlus」といったマルチメディア機能やサービスを利用できる。 今回の提携についてMicrosoftのCEO、Steve Ballmer氏は「BTは通信分野で、Microsoftはソフトウェアで、といったように両社はそれぞれの独自のスキルを組み合わせて、打ち破ることもできないインターネット体験を作り出している。MSNは、市場力学が複雑な米国以外の市場でインターネット接続を顧客に提供することはしないが、ビジネスとして意味をなす限り、市場を牽引しているプロバイダーと提携したいと思っている」と説明した。 なお、Microsoftはすでに英国にポータルサイト「MSN.co.uk」を保有しており、ナローバンドを含む英国内の1,120万人が利用する人気サイトとなっている。 ◎関連記事 (2002/11/26) [Reported by 青木 大我 (taiga@scientist.com)] |
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